(H26.5.28更新)
◆第二章 仏教美術◆
朝鮮半島では各時代ごとに多様な仏教美術が展開しました。今回は三国時代から朝鮮時代の優品が展示されますが、三国時代のものでは、天衣が広がる古式の「菩薩立像(:ぼさつりゅうぞう)(宝物)」や全体に丸みを帯びた百済彫刻の特徴を示す「菩薩立像(国宝)」、同時代に盛んに造立された「菩薩半跏像(:ぼさつはんかぞう)」など、貴重な彫刻が12点出品されます。朝鮮半島で最も仏教美術が隆盛した統一新羅時代の作品としては、堂々とした作風の大作である「薬師如来立像(国宝)」が日本初公開となります。高麗時代も仏教が崇敬されましたが、この時代のものとしては近年の修理で象嵌が鮮やかに蘇った「銀象嵌龍文浄瓶(:ぎんぞうがんりゅうもんじょうへい)(慶南有形文化財)」や「梵鐘(:ぼんしょう)」などの仏教工芸のほか、見返し絵を持つ装飾経が注目されます。朝鮮時代になると廃仏政策がとられますが、仏画については大画面の作例が見られるようになります。これも日本初公開となる「八相幀(:はっそうちょう)(宝物)」は、釈迦の生涯を描いた同時代の仏画の代表作です。