(H26.5.28更新)
◆第三章 高麗青磁◆
高麗時代の陶磁器を代表する青磁は中国の越州窯青磁の影響を受けて生産が始められましたが、しだいに陰刻・陽刻・透彫・印花などの技巧が駆使され、高麗青磁独自の美的世界が生み出されました。そして、12世紀後半になると象嵌技術が発達し、“翡色(:ひしょく)”と称された高麗青磁は全盛期を迎えました。今回はその12世紀以降の青磁の代表作が多数展示されますが、そのなかでも「青磁陰刻蓮唐草文瓶(:せいじいんこくはすからくさもんへい)(国宝)」は蓮華唐草を全面に大らかに陰刻した優品であり、また「青磁透彫七宝文香炉(:せいじすかしぼりしっぽうもんこうろ)(国宝)」は透彫や貼花などの技巧を用いた造形美あふれる名品です。