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(H25.8.14更新)

第20回 特集展示

「ひなあそび」展

 ◆ 平成16年 2月4日(水) 3月8日(月) ◆ 
毎週火曜日休館

会 場
  8階 特集展示室

時 間
  9:30~17:00(金曜は20:00まで)
    ※入館は閉館30分前まで

観覧料


大阪歴史博物館における「ひなまつり」にちなんだ展示は、前身である大阪市立博物館以来、10回目を数えますが、今回の展示では、「次郎左衛門雛(じろうざえもんびな)」「古今雛(こきんびな)」など、江戸中期以降に流行した代表的な雛人形や、多くの方々から寄贈いただいた大阪にゆかりのさまざまな雛人形や、豪華な雛道具の数々をご覧いただくことによって、「ひなまつり」の変遷について広くご紹介し、季節に彩りを添えます。

ひなまつり は、毎年3月3日を中心に行われる、子ども達の健やかな成長を祈り、「雛人形」などを飾って祝う行事です。「ひな」とはもともと「ひいな」「ひひな」と呼ばれる小さな人形のことをさし、子ども達のままごとあそびである「ひいなあそび」の道具でした。現在行われているような「ひなまつり」の行事は、江戸時代のはじめ(17世紀の初頭)、後水尾天皇在位中に宮中で行われるようになったことに端を発し、江戸時代中期以降、町方へとひろがったものです。


期間中の関連行事

展示解説
※常設展の観覧者は参加無料です。
見学会
「大阪の伝統工芸・市松人形制作実演 」
※事前のお申込みが必要です。
平成16年2月14日(土)
午後2時から
平成16年2月28日(土)
(1) 午前11時から/(2) 午後2時から
おもな展示資料 

   次郎左衛門(じろうざえもん)

 江戸時代中期、京都の雛人形師・
         雛屋(ひなや)次郎左衛門の作
   古今(こきん)  有職雛(ゆうそくびな)をもとに創られた、
         派手な衣裳が特徴の雛人形
   立雛図(たちびなず)  招福の意が込められ、桃の節句に飾られた立雛の図
…など、実物資料/約17件、写真パネル/約20点

学芸員からひとこと
 今年も桃の節句が近づいています。
 江戸時代、大阪では毎年雛の時期に合わせて御堂前や順慶町に雛市が立ち、
ひとびとに本格的な春の訪れを告げ、季節に彩りを添えるものだったのです。
 本館では今年も特集展示「ひなあそび」を開催させていただきます。
 大阪城公園の梅園とあわせて春を楽しみにいらしてください。
 お待ちしています。

   

おもな展示資料

(1)次郎左衛門(じろうざえもん)雛  江戸時代/大阪歴史博物館蔵
次郎左衛門雛

京都の雛人形師・雛屋(ひなや)次郎左衛門が江戸時代中期に創始した雛人形で、丸い顔に引目鉤鼻(ひきめかぎばな)という面相です。次郎左衛門は宝暦(ほうれき)年間(1751~64)に江戸・日本橋室町に店を出したため、江戸の雛人形としても大変普及しました。

(2)古今(こきん)雛  江戸時代/個人蔵
古今雛は、有職雛(ゆうそくびな)(をもとにして、明和(めいわ)年間(1764~1771)に、江戸日本橋十軒店の原 舟月(しゅうげつ)が創案したといいます。派手な衣裳が特徴で、有職の世界にとらわれず、庶民のあこがれの雛人形を目指して製作され、明治以降の雛は基本的にこの形式を踏襲しています。
古今雛
有職雛とは、有職故実(ゆうそくこじつ)という公家社会のしきたりにのっとって装束を正しく考証して作られた雛人形のこと。主に、京の公家社会を中心に飾られました。男雛は束帯(そくたい)姿、女雛はおすべらかしに裳唐衣姿(もからころも:いわゆる女房装束。唐衣に裳をつけた女房の日常服。)で宝冠はつけないなどの特徴を持っています。
(3)立雛図(たちびなず)     江戸時代/大阪歴史博物館蔵
      森 一鳳(いっぽう)画
立雛図 紙製の立雛を描いた立雛図は、女児の成長を祝う三月三日の桃の節句にかけられ、季節の画題として数多く描かれました。雄雛、雌雛の衣には、ともに松に藤図を繊細な筆線で描き、招福の意をこめています。

森 一鳳(もり・いっぽう)
 寛政10年~明治4年(1798~1871)

播州吉田の生まれで、森 徹山に学び、その息女・柳の婿養子となった人物です。一鳳の描く「藻刈図(もかりず)」は、“藻刈(もかる)一鳳(いっぽう)”=“儲(もう)かる一方(いっぽう)”という語呂合(ごろあ)わせで、大変にもてはやされたといいます。