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  5. 第19回特集展示「「こよみ」の世界-羽間文庫の天文・暦学資料を中心に-」

(H25.8.14更新)

第19回 特集展示

「こよみ」の世界
-羽間文庫の天文・暦学資料を中心に-

 ◆ 平成15年12月17日(水) 平成16年2月2日(月) ◆ 
毎週火曜日休館
ただし12月23日(火)は開館し、翌24日(水)は休館します。
なお年末年始の12月28日(日)~1月4日(日)は休館します。


8階 特集展示室
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで


「こよみ」は、本来区切りのない時間を区分して、私たちの生活に規律とリズムを与えています。それは、月の満ち欠けや、太陽の動きを目安につくられるため、その時代の宇宙認識や天体観測技術によってさまざまに変化してきました。また、「日」など時間には、未来を予測する技術である「占い」によって、それぞれ吉凶などが割り当てられました。
 今回の特集展示では、江戸時代から現代までの「こよみ」をめぐるさまざまなことがらを、近世天文学資料の宝庫として知られる当館所蔵の羽間(はざま)文庫資料を中心として展示します。江戸時代の「こよみ」の精度を上げるための天文観測や、「こよみ」の改訂である改暦、西洋天文学の流入による宇宙認識の激変と旧来の認識の葛藤に関する資料のほか、絵だけで記された「こよみ」、現在でも沖縄で使用される珍しい「こよみ」など、さまざまな「こよみ」を一堂に紹介します。

なお、この特集展示は、大阪歴史博物館共同研究「暦と大坂天文学に関する調査研究」、および文部科学省科学研究費補助金特定領域研究(A)「江戸のモノづくり」の成果の一部として開催するものです。


展 示 解 説
日 時:
(1)平成15年12月21日(日)
(2)平成16年 1月17日(土)
     いずれも午後2時から(約30分間)
会 場:
当館8階 特集展示室
担 当:
当館学芸員

※常設展の観覧者は参加無料です。

友の会主催
講 演 会
日 時:
平成16年1月18日(日) 午後1:30~3:00
会 場:
当館4階 講堂
講 師
小池 淳一 氏
(国立歴史民俗博物館助教授・当館調査研究委員)
演 題:
「暦のフォークロア」
参加費:
300円
定 員:
250人
受 付:
当日、午後1:00から先着順

※友の会会員証および常設展観覧券を提示いただいた方は無料です。

おもな展示資料

反射式望遠鏡
 ・・・江戸時代後期の最先端観測機器
南部絵暦(なんぶえごよみ)
 ・・・奥州の南部地方(現在の岩手県)で作られた絵暦
明治十六年十月三十一日大陽金鐶蝕の図
 ・・・日食を観る人々の様子から文明開化期の啓蒙主義がうかがえる図

     他、展示資料数 約50点

すべてが絵で書かれた「絵暦」
  なにが書いてあるか、わかるかな?

ここが見どころ!

(1)反射式望遠鏡  大阪府指定有形文化財

江戸時代後期
 大阪歴史博物館蔵(羽間文庫資料)

幕府の天体観測に携わった間重新が用いたイギリス製の天体観測用望遠鏡。間重新は、趣味で行っていた天文学の質の高さが評価され、幕府の寛政の改暦に携わった大坂の町人学者・間重富(はざま・しげとみ)の子で、この望遠鏡は重新が幕府から貸し下げられて天体観測に用いたもの。当時の最先端の観測器具でした。
(2)南部絵暦
  (なんぶえごよみ)

安政3年(1856)
大阪歴史博物館蔵

 奥州の南部地方(現在の岩手県)で作成された絵のみで構成された暦。南部絵暦のなかでも、版木による一枚摺りのものは盛岡で作られていたことから「盛岡暦」と呼ばれます。この暦は安政4年(1857)用で、上部中央枠内が年号を示しています。般若(はんにゃ)面の口が開いている様子が「アーン」で「安」、その下の「井」を背負っている人で「せ(背)い(井)」つまり「政」、蛇は「巳」の年、さいころの目が「4年」を表しています。
(3)明治十六年十月三十一日大陽金鐶蝕の図

明治16年(1883)
大阪歴史博物館蔵
(羽間文庫資料)

 明治16年(1883)10月の金環食を報じた一枚摺。中央で太陽を指さしながら説明する洋装の紳士、その説明を聞き、にこやかに太陽に手を合わせる民衆の姿が描かれています。文明開化期の啓蒙主義を示す摺り物です。日食は、江戸時代までは多く凶兆と理解されましたが、文明開化期にはこのような摺り物によって、科学的な説明がなされるとともに、吉兆としての見解が説かれました。