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  5. 第18回特集展示「大坂のくらし・江戸のくらし」

(H25.8.14更新)

第18回 特集展示

大坂のくらし・江戸のくらし

 ◆ 平成15年10月29日(水)12月15日(月) ◆ 

会 場 8階 特集展示室
時 間 9:30~17:00(金曜は20:00まで)
 ※入館は閉館30分前まで
観覧料 常設展示観覧料でご覧になれます

江戸時代には、大坂・京・江戸は、「三都」と称される国内有数の大都市でした。江戸時代の初期には文化の中心は京・大坂の「上方」にありましたが、やがて江戸でも独自の都市文化が花開いてゆきます。そうした中で、江戸時代後半になると、上方と江戸との文化や風俗を比較することが流行しはじめます。『街能噂(ちまたのうわさ)』や『守貞謾稿(もりさだまんこう)』などの書物は、その代表例といえます。
 今回の特集展示では、『街能噂』や『守貞謾稿』に描かれた上方と江戸の生活文化の違いを手がかりにしながら、江戸と大坂の発掘資料などを通じて、そのありさまを具体的に見比べていきます。また、大坂の生活を描いた絵画資料や文字資料などと発掘資料の対比によって、江戸時代の大坂の生活ぶりをわかりやすくお見せします。

おもな展示資料

(1)大坂のくらし・・・大阪市内遺跡の発掘資料
(2)江戸のくらし・・・汐留遺跡(しおどめいせき)の発掘資料
(3)『街能噂』・・・・「ちまたのうわさ」
   など約80点

ここが見どころ!

 江戸時代の書物に描かれた大坂と江戸の違いを、発掘調査によって見つかった実物資料で見比べてみましょう。

瀬戸美濃焼徳利など
(東京都埋蔵文化財センター保管)
丹波焼徳利など
(大阪市文化財協会保管)
(1)丹波焼徳利  大阪市北区の天満1丁目から見つかったもので、褐色の釉薬が特徴。『街能噂』や『守貞謾稿』でも、大坂(上方)と江戸とで異なっているものの一つに徳利が数えられている。『街能噂』では、「色黒くいたって雅なり」とされている。酒を買う時に、酒屋が客に貸し出した容器といわれている。
(2)瀬戸美濃焼徳利  東京都港区の汐留(しおどめ)遺跡から見つかったもので、灰白色の釉薬が特徴。『街能噂』では黄色、『守貞謾稿』では淡鼠色とされている。大坂の徳利と同じく、酒屋が客に貸し出した容器といわれるが、大坂に比べて大量に見つかることが特徴である。
(3)『街能噂』  天保6年(1835)刊行された江戸と大坂の風俗を比較した書物で、著者は平亭銀鶏。平亭銀鶏は江戸の人物で、大坂に数年間滞在したときに見聞した風俗を、江戸との対比により記述している。全4巻のうち第4巻では、江戸と大坂の生活用具やさまざまな職業のありさまなどを挿し絵入りで描いており、両者の違いを視覚的に知るための基本資料として名高い。