展示・イベント


第24回 特集展示
「よみがえる赤羽刀 −大坂と鉄と刀工と−
  平成16年 7月7日(水) 8月16日(月)  
毎週火曜日休館
(H16.6.3更新)


会 場
8階 特集展示室

時 間
9:30〜17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで

観覧料

※この展示は終了いたしました

 第二次世界大戦後、GHQ(連合国最高司令官総司令部)によって大量の刀剣類が接収されました。そのうち廃棄を免れたものの一部は東京都北区赤羽に集められ、その大多数は所有者不明のまま錆だらけで長期にわたり眠っている状況でした。これらの刀剣類はその集積地の地名から「赤羽刀」と呼び慣わされていましたが、終戦50年に当たる平成7年に議員立法*1 が制定され、研磨し公開することを前提に、公立の博物館施設に譲与されました。本館の前身である大阪市立博物館では、大坂新刀(おおさかしんとう:近世の大坂で製作された刀剣)など113口の刀剣の譲与を受け、平成16年現在、そのうちの約半数が研磨され当初の美しい姿によみがえりました。

 本展覧会は、さまざまな人に支えられ、錆だらけの刀剣が50年以上の時を経て研磨され、当初の美しい姿によみがえったことを記念し、初公開となる赤羽刀19口と製作工程等を展示します。また、当館で所蔵・寄託されている刀剣類のうち「五ヶ伝」といわれ大坂新刀の源流にもあたる、大和・山城・備前・相模・美濃の基本五カ国の美しい刀剣を併せて陳列し、全体で国宝1件、重要文化財5件、大阪府指定文化財1件を含む鎌倉時代から江戸時代にかけての刀剣27口と関連資料を含むおよそ30件を展示し、近世大坂の刀剣文化と刀剣の魅力を多面的に紹介します。


*1 故山中貞則衆議院議員より提出の「接取刀剣類の処理に関する法律」(法律第133号)




(財)日本美術刀剣保存協会 大阪支部



当館学芸員による 展示解説
平成16年8月14日(土)
午後1時30分から約30分間

※参加料は無料(ただし常設展示観覧料が必要)です。
上記の時間に会場(8階特集展示室)へお越しください。



 展示資料数:
 約
30


出品リストはこちら

(1)刀 銘 河内守藤原国助(かわちのかみふじわらくにすけ)
   江戸時代初期 大阪歴史博物館蔵(赤羽刀)
 この刀の作者である初代国助は京都の堀川国広門下で、のち大坂に移住し、大坂新刀鍛冶の祖となった。大坂新刀の端緒は、すでに刀剣制作で長い歴史を持つ京都の存在に拠るところが大きかった。
(2)脇指 銘 越前守 (えちぜんのかみすけひろ)以地鉄(じがねおろし)研作之
   江戸時代前期 大阪歴史博物館蔵(赤羽刀)
 助広は津田姓で、受領銘(ずりょうめい)*2で「越前守」を名乗った。大坂新刀の盛期の代表工のひとりで、寛文7年(1667)に大坂城代青山因幡守に抱えられた。「地鉄研」とは、鉄材を必要に応じ適切な炭素量に加工する作業のことをいう。材料に対するこだわりは助広が名工であることの証でもある。

(3)南蛮鉄(なんばんてつ)
   江戸時代 個人蔵
 江戸時代に舶載された鉄で、その形から瓢箪鉄とも呼ばれる。舶来ものとしての珍奇さが好まれて刀剣の材料として用いられることがあり、そのときには銘に南蛮鉄で作った旨を刻むのが通例であった。今回出品の赤羽刀にも「南蛮鉄造」の銘文のある作品がある。 


         (3)南蛮鉄



*2 京都の刀工伊賀守金道家が代々朝廷からの取り次ぎ役となり、希望する刀工に「○○守」、「○○大掾」などの官位を与えた。これを「受領」といい、受領した官位を名前に冠した銘を「受領銘」という。江戸時代の刀工の間では、形式上の官位を「受領」する事が好んでおこなわれた。



担当学芸員からのコメント
 今回の展示では、当館に譲与された赤羽刀の大部分を占める、近世大坂の刀剣「大坂新刀」を展示いたします。経済・流通の拠点としての大坂、その大坂に運ばれた鉄、そして鉄にこだわり工夫を重ねた刀工たちに思いを馳せながら、近世の大坂が育んだ日本刀の美をお楽しみください。
 また、同時陳列「五ヶ伝の名刀」では、鎌倉時代から室町時代に作られた、国宝・重要文化財等の名刀を展示します。
 さらに、7階常設展示場(近現代フロア)では、本展覧会にちなみ、赤羽刀の中から近代大阪の月山派の作品を展示します →詳細はこちら 。併せてお楽しみくださいませ。

(内藤直子学芸員)




ニュースのTOPに戻る HOMEに戻る