第二次世界大戦後、GHQ(連合国最高司令官総司令部)によって大量の刀剣類が接収されました。そのうち廃棄を免れたものの一部は東京都北区赤羽に集められ、その大多数は所有者不明のまま錆だらけで長期にわたり眠っている状況でした。これらの刀剣類はその集積地の地名から「赤羽刀」と呼び慣わされていましたが、終戦50年に当たる平成7年に議員立法*1 が制定され、研磨し公開することを前提に、公立の博物館施設に譲与されました。本館の前身である大阪市立博物館では、大坂新刀(おおさかしんとう:近世の大坂で製作された刀剣)など113口の刀剣の譲与を受け、平成16年現在、そのうちの約半数が研磨され当初の美しい姿によみがえりました。
本展覧会は、さまざまな人に支えられ、錆だらけの刀剣が50年以上の時を経て研磨され、当初の美しい姿によみがえったことを記念し、初公開となる赤羽刀19口と製作工程等を展示します。また、当館で所蔵・寄託されている刀剣類のうち「五ヶ伝」といわれ大坂新刀の源流にもあたる、大和・山城・備前・相模・美濃の基本五カ国の美しい刀剣を併せて陳列し、全体で国宝1件、重要文化財5件、大阪府指定文化財1件を含む鎌倉時代から江戸時代にかけての刀剣27口と関連資料を含むおよそ30件を展示し、近世大坂の刀剣文化と刀剣の魅力を多面的に紹介します。