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  5. 第22回特集展示「よみがえる朝鮮通信使-辛基秀コレクションの歩み-」

(H25.8.7更新)

第22回 特集展示

よみがえる朝鮮通信使
-辛基秀コレクションの歩み-

  平成16年 4月7日(水) 5月17日(月) ◆ 
毎週火曜日休館

会 場
8階 特集展示室

時 間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで

観覧料

朝鮮通信使(ちょうせんつうしんし)は江戸時代に12回にわたり、朝鮮国から日本を訪れた公式の政府使節団です。通信使は漢城(ソウル)と江戸の間を往復しましたが、大坂をはじめ、その道々では来日の噂を聞いた人々が集い、心を通わせた交流が生まれました。朝鮮通信使の存在は長らく忘れられていましたが、1970年代後半から光が当てられ始め、現在では歴史の教科書にとりあげられるまでになっています。
その朝鮮通信使研究をリードしたのが辛基秀(シン ギス)氏(1931~2002)でした。辛氏は研究の傍ら通信使資料の収集に努め、そのコレクションは通信使関係資料のコレクションとしては最も充実したものとして、日本はもちろん、韓国からも注目されています。
 大阪歴史博物館では、辛氏からの寄贈品を含め、辛基秀コレクション全体を保管していますが、今回はその中から代表的な資料を公開するとともに、あわせて辛氏の活動の軌跡についても紹介し、朝鮮通信使が持つ現代的意義について改めて考えてみたいと思います。


大阪歴史博物館・友の会共催
映画会・講演会

平成16年4月17日(土)
午後1時30分から
辛基秀氏制作の映画の上映と仲尾宏氏による講演会です。

学芸員による
展示解説
平成16年 5月8日(土) 
午後2時から(30分間)

 展示資料数:
 約
50(予定) 

正徳度朝鮮通信使行列図巻

 正徳元年(1711)の通信使来日の様子を描いた、全長43メートルに及ぶ行列図巻。
朝鮮通信使小童図
 通信使と日本人の交流の姿を生き生きと表現した佳品。
朝鮮通信使御楼船図屏風
 通信使の正使らを乗せ、大坂の淀川を行く高殿付きの御楼船の図。現在知られている川御座船の絵画のなかで最も豪華な作品です。

担当学芸員からのコメント
 皆さんは「朝鮮通信使」をご存じですか?最近は歴史の教科書にその名が登場するようになりましたが、まだまだ馴染みのない方が多いかも知れません。「鎖国」時代といわれた江戸時代に隣の朝鮮国から日本を訪れた通信使は、日本人にとても強い文化的インパクトを与えました。辛基秀さんは誰よりもその重要性に注目し、通信使の意義を広く訴えました。
 皆さんも辛さんに導かれて通信使の世界を垣間見てみませんか。

おもな展示資料

(1) 正徳度朝鮮通信使行列図巻
(しょうとくど ちょうせんつうしんし ぎょうれつずかん)
江戸時代:正徳元年(1711)
大阪歴史博物館蔵(辛基秀氏寄贈)
正徳度朝鮮通信使行列図巻

正徳元年の通信使来日の際、老中土屋政直(つちや まさなお)の命令により対馬藩が作成させた全長43メートルに及ぶ行列図巻です。通信使の代表者である正使や護衛の対馬藩士をはじめ、行列を克明に描いています。辛コレクションを代表する作品のひとつです。
朝鮮通信使小童図
(2) 朝鮮通信使小童図
  
(ちょうせんつうしんし しょうどうず)
     英一蝶
(はなぶさ いっちょう)

江戸時代中期:18世紀
大阪歴史博物館蔵(辛基秀氏寄贈)


通信使一行のなかの小童が、近づいてきた日本人の持つ紙に、馬上から揮毫している様子が描かれています。庶民風俗の描き手として著名な英一蝶(1652~1724)の作品で、辛氏が重視した通信使と日本人の交流の姿を生き生きと表現した佳品です。
(3) 朝鮮通信使御楼船図屏風
(ちょうせんつうしんし ごろうせんず びょうぶ)
江戸時代中期:18世紀
朝鮮通信使御楼船図屏風
▼部分拡大
朝鮮通信使御楼船図屏風―部分拡大

通信使の正使らを乗せ、大坂の淀川を行く高殿付きの御楼船の図。現在知られている川御座船の絵画のなかで最も豪華な作品で、かつ人物描写がおおらかな点で注目されます。紀州徳川家伝来の作品と伝えており、辛コレクションでも最も有名な作品のひとつです。