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  5. 第30回特集展示「没後七十年記念 初世中村雁治郎展-近代上方歌舞伎の巨星-」

(H25.8.12更新)

第30回 特集展示

没後七十年記念 初世中村鴈治郎展
-近代上方歌舞伎の巨星-

平成17年1月19日(水)~2月14日(月)
毎週火曜日休館


主 催
大阪歴史博物館
協 力
松竹株式会社

会 場
8階 特集展示室
時 間
9:30~17:00
(金曜は20:00まで)
観覧料
※入館は閉館30分前まで
本展では、衣装や小道具、絵画、番付、写真などの初世中村鴈治郎(がんじろう)関係資料約30点を展示します。

 初世中村鴈治郎(1860~1935)は、大阪に住み、大阪の人々に愛された、近代上方歌舞伎を代表する大スターです。平成17年は初世鴈治郎の没後70年にあたり、年内には三代目中村鴈治郎さんの坂田藤十郎(とうじゅうろう)襲名があり、上方歌舞伎にとって大きな節目の年となります。この展示はこれを記念し、初世鴈治郎の足跡を遺品や絵画、写真などの関連資料で振り返るものです。

 初世鴈治郎は、上方の和実の芸を得意とし、道頓堀の中座や浪花座を拠点に活躍しました。なかでも「河庄(かわしょう)」の紙屋治兵衛(かみやじへえ)役は一番の当たり芸で、家の芸「玩辞楼(がんじろう)十二曲」のひとつとして今日に伝えられています。

 大阪には美しい鴈治郎の立ち姿に魅せられた多くの贔屓(ひいき)がいました。今回展示する大阪歴史博物館が所蔵する初世鴈治郎関係資料は、こうした鴈治郎贔屓のひとり、故今中富之助氏の収集品を中心に、三代目中村鴈治郎さんをはじめ多くの方々からご寄贈いただいた資料群です。


期間中の関連行事

当館学芸員による展示解説

平成17年2月6日(日) 午後2時から(約30分間)

※参加料は無料(ただし常設展示観覧料が必要)です。
上記の時間に会場(8階特集展示室)へお越しください。


おもな展示資料

二世長谷川貞信画 佳人の花広告
今中富之助氏寄贈

展示資料数:約30点

化粧前
三代目中村鴈治郎氏寄贈

はむれっと衣装
今中富之助氏寄贈

おもな展示資料

二世長谷川貞信画 佳人の花広告

(1) 二世長谷川貞信画 佳人の花広告
 明治31年(1898)
 にせいはせがわさだのぶが かじんのはなこうこく
 

 今中富之助氏寄贈

 

「廓(くるわ)文章」の藤屋伊左衛門(ふじやいざえもん)を演じる初世中村鴈治郎を描く。文芸雑誌『喜楽』の付録として出版されたもので、勘当され遊里に現れた伊左衛門の紙衣(かみこ)姿に化粧品(白粉:おしろい)の名が記した広告となっている。伊左衛門役は、「河庄(かわしょう)」の紙屋治兵衛などとともに初世鴈治郎の当たり芸をまとめた「玩辞楼(がんじろう)十二曲」のひとつに数えられている。

化粧前

(2) 化粧前
 けしょうまえ

 三代目中村鴈治郎氏寄贈

 

中村鴈治郎家に伝えられた楽屋で使用する鏡台。朱漆塗に鴈治郎の定紋(じょうもん)であるイ菱紋などの役者の紋を散らした華やかな意匠である。明治9年(1876)の箱書があり、初世鴈治郎が父である三世中村翫雀(かんじゃく)から譲られたものと考えられる。

はむれっと衣装

(3) はむれっと衣装

 今中富之助氏寄贈

 

小説家・山岸荷葉(やまぎしかよう)らによる歌舞伎の時代物への翻案劇「はむれっと」を初世鴈治郎が演じたときの衣装。明治41年(1908)3月に道頓堀・中座において上演された「はむれっと」では、葉村年麿(ハムレット)を初世鴈治郎が、折江姫(オフィリア)を四世中村福助が演じた。