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  5. 第23回特集展示「大坂出土の肥前陶磁 ―唐津焼と伊万里焼の出現―」

(H25.8.9更新)

第23回 特集展示

大坂出土の肥前陶磁
-唐津焼と伊万里焼の出現-

  平成16年 5月19日(水) 7月5日(月)  
毎週火曜日休館


会 場
8階 特集展示室

時 間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで

観覧料

肥前陶磁とは、肥前(現在の佐賀県・長崎県の一部)で焼かれた陶器「唐津焼(からつやき)」と、磁器「伊万里焼(いまりやき)」を総称した呼び名です。唐津焼は、天下が豊臣氏の時代であった16世紀末、朝鮮の焼物生産技術の影響を受けて始まり、すでに国内で焼かれていた瀬戸・美濃地方(現在の愛知県・岐阜県)の焼物と並んで、広く全国に流通しました。

また、徳川氏の時代となる17世紀になると、唐津焼を生産していた肥前の窯場では国内初の磁器である伊万里焼の生産に成功します。伊万里焼の出現は、それまで中国からの輸入に頼っていた染付磁器に代わるものとして、一気に全国に流通していきます。

当時大坂で流通していた肥前陶磁の姿を示す遺跡出土資料と、伝世された優品が一同に会した特別展『初期伊万里展 -染付と色絵の誕生-』(会期:6月2日~7月12日)をあわせてご覧いただくことで、肥前陶磁を受容した大坂の姿がより鮮明に浮かび上がることとなるでしょう。


講演会『大坂における唐津焼と伊万里焼の出現』
講師:森 毅(当館学芸員)

日  時
平成16年7月3日(土)
  午後2時~午後3時30分
会  場
大阪歴史博物館 4階講堂
募集人数
250名
参 加 費
300円(ただし、当日の常設展観覧券あるいはその半券を提示の方は無料
参加方法
座席に余裕がございますので、当日先着順に受け付けます。当日、1時30分までに、直接会場にお越し下さい。
(往復はがきによる事前申込みは締切りました)

当館学芸員による 展示解説
平成16年5月29日(土)
平成16年6月19日(土)
いずれも午後2時から約30分間

※参加料は無料(ただし常設展示観覧料が必要)です。
上記の時間に会場(8階特集展示室)へお越しください。



 展示資料数:
 約
50

唐津松文大皿(大坂城下町跡出土)
唐津三耳壺(大坂城跡出土)
伊万里染付型打小皿(大坂城下町跡出土)


担当学芸員からのコメント
 大阪市内の豊臣時代から江戸時代にかけての遺跡から発掘される陶磁器では、肥前で生産された唐津焼・伊万里焼がかなり大きな割合を占めています。その中には茶陶などの高級品から日常の食卓で使われたものまで、さまざまな種類の焼き物が含まれています。今回の展覧会では、肥前陶磁の移り変わりを見ていただくとともに、そうした陶磁器を通して流通の中心であった近世の大坂の姿や、都市生活のあり方をも実感していただけるのではないかと思います。




おもな展示資料

唐津松文大皿
(1)唐津松文大皿
からつまつもんおおざら

大坂城下町跡出土
口径35.5cm


口縁部が屈曲して開く大皿である。器面には鉄絵で松が描かれている。元和7(1621)年の年号を記した木簡と共伴して出土していることから、1620年頃まで使われていたことがわかる。
唐津壺
伊万里染付型打小皿
(2)唐津壺
  
からつつぼ

大坂城下町跡出土
高さ21.1cm

(3)伊万里染付型打小皿
  いまりそめつけかたうちこざら

大坂城下町跡出土
口径12.3cm


口縁と体部、底部の径がほぼ同じで、ずん胴の壺である。口縁部は受け口状となり、本来、蓋が伴ったものと思われる。肩部に縦方向の耳が二方に貼り付けられている。体部内面にはタタキ痕がわずかに残り、底部には二枚貝の目積み痕が残る。
1614年の大坂冬の陣焼土層から出土している。

方形の型打小皿である。内面に簡素な山水文を描き、四方には型により文様が施されている。