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  5. 第29回特集展示「古曾部焼(こそべやき)-ひとびとに愛された素朴な美のうつわ-

(H25.8.12更新)

第29回 特集展示

古曾部焼(こそべやき)
-ひとびとに愛された素朴な美のうつわ-

  平成16年 12月8日(水)平成17年 1月17日(月)  
毎週火曜日休館

会 場
8階 特集展示室

時 間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで

観覧料

本展示では、近世後期から近代まで大阪府高槻市で焼かれ、大阪で広く流通した焼き物である古曾部焼(こそべやき)について、当博物館に収蔵・寄託されている資料を広く公開します。また加えて、近年行われた窯跡の発掘調査で出土した陶片・窯道具や、創業者五十嵐新平が藩主へ開窯を願い出た書状といった他機関所蔵の関連資料を借用し、計約70件を展示することによって古曾部焼の意匠的・技術的系譜の問題や生産・流通の実態などに迫ります。

古曾部焼を創業した陶工である五十嵐新平は京都で修業したと伝えられ、寛政年間(1779~1801)に高槻市古曾部町に窯を開き、四代信平まで約120年間にわたって操業が続けられました。この間、茶道具から日常雑器にいたるさまざまな製品を近郊に向けて生産し、大阪や京都の料理屋の注文にこたえることもありました。その素朴なデザインは現在でも陶磁器研究者や収集家に広く親しまれています。当博物館には、このような古曾部焼の質・量両面におけるきわめて充実した内容の所蔵品や寄託品があり、そのコレクションは陶磁器研究者からも注目される存在です。


期間中の関連行事

なにわ歴博講座
「古曾部焼の様式と技術の系譜をさぐる」

講師:当博物館学芸員 佐藤 隆

平成17年1月14日(金)
18:30~19:45(受付は18:00開始)

会 場:4階 講堂
定 員:250名(当日先着順)
参加費:200円


当館学芸員による展示解説

平成16年12月18日(土)・平成17年1月15日(土)
いずれも13:30~14:00(約30分間)

※参加料は無料(ただし常設展示観覧料が必要)です。
上記の時間に会場(8階特集展示室)へお越しください。


おもな展示資料

染付芋頭水指(そめつけいもがしらみずさし)
二代新平作 大阪歴史博物館蔵



染付海老文皿(そめつけえびもんさら)
三代信平作 大阪歴史博物館蔵



辰砂釉手付花生(しんしゃゆうてつきはないけ)
四代信平作 大阪歴史博物館蔵

展示資料数:70点
 

おもな展示資料

(1) 染付芋頭水指
 そめつけいもがしらみずさし

3二代新平作 大阪歴史博物館蔵3

「芋頭」は水指や茶入の形を表す言葉。里芋の形に似ることからこのように呼ばれる。褐色の土に白化粧を施し呉須(コバルト)でさまざまな文様を描く。陶器でありながら磁器のような外見を意図したこの技法は、他にも「安南写(あんなんうつし)」や「くらわんか写」とされる器物など多くの作品でもちいられた。

染付芋頭水指
染付海老文皿

(2) 染付海老文皿
 そめつけえびもんさら

三代信平作 大阪歴史博物館蔵

染付芋頭水指と同じく白化粧を施したのち、呉須で海老の姿を活き活きと描く。同様の皿は四代信平も製作しており、生物の意匠を多くもちいる古曾部焼の作品のなかでも代表的な食器のひとつである。

辰砂釉手付花生

(3) 辰砂釉手付花生
 しんしゃゆうてつきはないけ

四代信平作 大阪歴史博物館蔵

頸部から胴部にいたる把手は繊細で優美な曲線をなす。辰砂釉は銅の酸化・還元作用を利用し、淡い緑色と鮮やかな紅色との対比が美しい。特に本品のような大形のものに盛んにもちいられ、四代信平の作品の特徴のひとつとなっている。