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  5. 第36回特集展示「明山薩摩の美-万国博覧会で愛された近代大阪のやきもの-」

(H25.7.29更新)

第36回 特集展示

明山薩摩(めいざんさつま)の美
-万国博覧会で愛された近代大阪のやきもの-

 ◆ 平成17年 8月31日(水) 10月24日(月) ◆ 
毎週火曜日休館

会 場
8階 特集展示室

時 間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで

観覧料

本展覧会は、明治という新しい時代を迎えた大阪に工房を構え、薩摩焼の素地(きじ)に細密な上絵付を施した欧米諸国向け輸出陶器の制作・販売をおこなった、藪 明山(やぶ めいざん:1853~1934)の事績を、その作品ならびに工房関係資料、約70点によって振り返るものです。

藪 明山は、画家・藪 長水(やぶ ちょうすい:1813~1867)の子として、嘉永6年(1853)大坂・長堀に生まれました。明治新政府発足後の大阪で、当時欧米諸国向けの輸出品として注目されていた「薩摩焼」の制作・販売をおこなった、明治の大阪を代表する工芸家であり起業家です。
 明治時代には日本各地でさまざまな「薩摩焼」が生産されましたが、明山工房製の「薩摩焼」はその上絵付の細密さで他の追随を許さず、「明山薩摩」あるいは「明山焼」などと呼ばれ、国内外の博覧会、特に欧米で開催された万国博覧会で大好評を博し、英国で一大コレクションが形成されたほか、大阪の藪明山工房に対し「大日本帝国加賀金沢明山製」なる明山作品の模造品まで出回るほどの人気となりました。

本展覧会では、博覧会への出品を通じて世界中で愛された、陶画工・藪 明山の作品や工房関連資料によって、明山が大阪の工芸界において果たした役割やその与えた影響などについて紹介していきます。


期間中の関連行事

当館学芸員による展示解説

平成17年9月3日(土)、10月8日(土)
午後2時から(約30分間)

※参加料は無料(ただし常設展示観覧料が必要)です。
上記の時間に会場(8階特集展示室)へお越しください。


おもな展示資料
宮島山水図花瓶

宮島山水図花瓶
藪 明山作 大阪歴史博物館蔵

 
展示資料数:
   約70点

※期間中展示替えをいたします。

藪 明山肖像写真

藪 明山肖像写真
大阪歴史博物館蔵

藪 明山名刺

藪 明山名刺
大阪歴史博物館蔵

おもな展示資料

宮島山水図花瓶

(1) 宮島山水図花瓶
  みやじまさんすいずかびん
  高さ16.5cm 口径.11.6cm、底径5.0cm

   大阪歴史博物館蔵

日本三景のひとつにも数えられる宮島・厳島神社の景色を細密な上絵付で写した秀作。見込みにはさまざまな花々を敷き詰めたように描き込んでいる。大阪歴史博物館へ収蔵された際には、器胎に大きなヒビがあったが、近年の修復作業によって見事なまでに旧に復した。

(2) 藪 明山肖像写真
やぶ めいざんしょうぞうしゃしん

  大阪歴史博物館蔵

藪 明山(1853~1934)は、画家・藪 長水(1813~1867)の子として、大坂・長堀に生まれた。明治13年(1880)から東京で薩摩焼風陶器の絵付技術を学び、大阪に戻って「陶器描画場」を開設、「薩摩焼」の生産・販売を開始、欧米諸国向けの輸出陶器の制作・販売を本格化した。

藪 明山肖像写真
藪 明山名刺

(3) 藪 明山名刺
  やぶ めいざんめいし

  大阪歴史博物館蔵

明山の工房は、明治22年(1889)のパリ万国博覧会への出品以降、当時全盛を迎えていた国内外の博覧会、特に欧米の万国博覧会で好評を博した。明山使用の名刺には、自身の名とともに「PAINTER OF THE FINEST」(最高の絵付師)、「SATSUMA PORCELAIN」(薩摩焼)の語が添えられ、裏面には明山の作品を写した版画が刷り込まれている。