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大阪ゆかりの人間国宝

(H26.6.27更新)

平成17年12月7日(水)~平成18年2月27日(月)(予定)

角谷一圭氏 鏡関係資料展示
展示風景
水草双鳥文鏡下絵
水草双鳥文鏡下絵
角谷一圭氏下絵 本館蔵

瑞花双凰文八稜鏡
瑞花双凰文八稜鏡
昭和53年(1978) 角谷一圭氏下絵 本館蔵

角谷一圭かくたにいっけい氏は大阪の鋳金家ちゅうきんかで、いわゆる人間国宝でした。今回は、氏制作の鋳造鏡ちゅうぞうきょう2面とそれぞれの下絵を展示しています。いずれも、銅やすず鋳型いがたに流し込んで制作されています。鋳型を作る際には下絵を貼り付け、それをガイドにへらで文様をつけます。下絵制作の際には古典をよく研究して臨んでいたという氏らしく、古典文様を美しく表現しています。
月山派 刀剣類展示
展示風景
槍(「日本号」模作)
槍(「日本号」模作)
月山貞一がっさんさだいち氏作 昭和41~42年(1966~1967年) 個人蔵
めいにある「天下の名槍めいそう 日本号にほんごう」とは、豊臣秀吉が福島正則ふくしままさのりに与え、のちに黒田長政くろだながまさの家臣・母里太兵衛もりたへえが、正則との呑み勝負に勝って譲り受けた槍で、「呑み取りの槍」とも言われます。展示品は、この伝説の槍を写した渾身の一作です。研ぎは貞一氏同様、のちに、いわゆる人間国宝となる本阿弥日洲ほんあみにっしゅう氏の手によります。第3回新作名刀展に初出品ながら最高賞を受賞、その後貞一氏が受ける数々の栄誉のきっかけとなる記念的作品です。

短刀 銘 山城国西陣住人埋忠明寿
短刀 銘 山城国西陣住人埋忠明寿うめただみょうじゅ
慶長拾三年八月吉日/太阿月山源貞一たいあがっさんみなもとのさだいち彫同作 昭和45年(1970年) 個人蔵
桃山期の刀工・埋忠明寿の短刀を忠実に写した作です。埋忠明寿は特に刀身彫刻とうしんちょうこくを得意とした刀工で、同じく、自身彫りに秀でた貞一氏が、その代表作の一つに挑んだものと考えられます。
 ひつ(彫刻部分の外枠)の内には不動明王ふどうみょうおうを表す梵字ぼんじ、そしてその下に不動の姿そのものを彫っていますが、そのあかぬけた姿は、繊細さと力強さが同居した明寿の彫の目指した姿をよくとらえ、再現しています。

来年1月25日(水)~2月27日(月)まで開催の特別展「日本のわざと美」にちなみ、7階常設展会場内「文化」コーナーでは、現在、美術コーナーを拡大し、2月27日までの間大阪ゆかりの人間国宝として、茶の湯釜師・角谷一圭氏と、刀匠・月山貞一氏の両氏の作品をご紹介しています。

角谷一圭氏は茶の湯釜師として知られていますが、その卓越した鋳造技術を、伊勢遷宮の際の鋳造鏡制作にも活かしています。今回は、角谷氏制作の白銅鏡2面とその下絵を制作工程パネルと共に展示します。

また、月山貞一氏は、幕末以降の大阪月山派の流れを汲む刀工で、今回はその代表作である黒田家伝来の「日本号」写しを含む5口の作品に、昨年寄贈を受けた、室町時代の古月山作品1口を加えた6口の刀剣類でその歩みをご紹介します。


6階特別展会場では知ることの出来ない角谷一圭氏の鋳造鏡制作のプロセスと、月山貞一氏の代表作品の数々を展示した、充実の企画です。ぜひ、6階の特別展と合わせてごらんください。

フロア / 7階 コーナー / 文化―美術・工芸の諸相
7階フロアマップ