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特別展 「日本のわざと美」展-重要無形文化財とそれを支える人々- 主な展示資料
(H26.4.2更新)

主な展示資料バナー

上野(うえの)為二(ためじ) 一越縮緬地友禅訪問着・歓喜
(ひとこしちりめんじゆうぜんほうもんぎ・かんき)

上野(うえの)為二(ためじ) 一越縮緬地友禅訪問着・歓喜(ひとこしちりめんじゆうぜんほうもんぎ・かんき)

●昭和29年 東京国立博物館蔵
●明治34年(1901)4月16日生~昭和35年(1960)9月4日没。

昭和30年(1955)5月12日重要無形文化財「友禅」の保持者に認定。京都府に生まれる。京都市立美術工芸学校予科中退。日本画家西村五運に師事。また関西美術院で学ぶ。友禅染は、京友禅界で名匠といわれた父・上野清江の指導のもとに、京加賀といわれる作風を研究、伝統技法を修得した。
 友禅は江戸時代に金沢・京都に興り、いわゆる加賀友禅、京友禅と称されるが、その相違は主に意匠、色彩の趣味の違いと言われている。上野清江が確立したと伝えられる京加賀は、加賀友禅の繊細な趣を摂取して京友禅に新風を与えた作風と考えられている。作風は、いずれかというと、伝統的な古風な味をもったものが多いが、父以来の加賀友禅風な調子を加えた多彩かつ繊細な技術に独自な境地を持つ作家であった。


十四代 酒井田(さかいだ)柿右衛門(かきえもん) 濁手枝垂桜文鉢(にごしでしだれざくらもんはち)

十四代 酒井田(さかいだ)柿右衛門(かきえもん)濁手枝垂桜文鉢(にごしでしだれざくらもんはち)

●平成2年 文化庁蔵
●昭和9年(1934)8月26日生~

平成13年(2001)7月12日重要無形文化財「色絵磁器」の保持者に認定。十三代酒井田柿右衛門の長男として佐賀県有田町に生まれる。祖父・十二代柿右衛門、父・十三代柿右衛門に師事して柿右衛門(かきえもん)手(で)(濁手(にごしで))の製陶技法を習得。昭和57年、父の死去に伴い十四代酒井田柿右衛門を襲名し、翌年重要無形文化財「柿右衛門(濁手)」保持団体・柿右衛門製陶技術保存会の代表者となる。伝統的な柿右衛門(濁手)の技術保存・伝承に尽力する一方、創作活動にも意欲的に取り組んでいる。
 同氏は、柿右衛門(濁手)の伝統のうえに立って、濁手素地の製法や絵具の調合法、表現上の研究を重ね、技の錬磨に努めて、色絵磁器の技法を高度に体得し、野山に咲く草花を好んで取り上げ、その徹底した写生を基にしたおおらかで華やぎのある独自の作風を築いて高い評価を得た。その絵画調ともいうべき華麗な作風は、今日の色絵磁器にあって重要な地位を占めるものである。


秋山(あきやま)信子(のぶこ) 衣裳人形「大月」(いしょうにんぎょう「うふつき」)

秋山(あきやま)信子(のぶこ) 衣裳人形「大月」(いしょうにんぎょう「うふつき」)

●昭和53年 東京国立近代美術館蔵
●昭和3年2月24日生~

平成8年5月10日重要無形文化財「衣裳人形」の保持者に認定。昭和31年(1956)から人形作家大林蘇乃(その)に師事し、桐塑(とうそ)及び和紙貼、木目込等の伝統的な人形制作技法を学ぶとともに創作人形の表現について指導を受け、その後さらに彫塑、日本画、漆芸等を学んで研究を重ね、各種の衣裳人形制作技法を高度に体得した。
 桐材を彫刻する木彫、桐材の木芯に桐塑で細部を成形する木芯桐塑のほか、脱乾漆(だつかんしつ)、木芯乾漆などの技法で素地を造形し、仕上げ技法には、胡粉、和紙貼、布貼、木目込、彩色、箔置き、蒔絵など多くの技法を組み合わせる。各種の素材の特色を生かした制作を行っており、作域は幅広い。沖縄の風俗や芸能をはじめ各地の祭礼行事、朝鮮半島や中国などの風俗を題材にして、情趣豊かに表現する独自の様式を築き、伝統技法の現代的意義を示している。


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