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  5. 第40回特集展示「甲冑・馬具・刀装」

(H25.7.23更新)

第40回 特集展示

甲冑・馬具・刀装

◆ 平成18年 4月26日(水)6月12日(月) ◆ 

毎週火曜日休館

会 場
8階 特集展示室

時 間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで

観覧料

大阪歴史博物館では、平成18年4月26日(水)から6月12日(月)まで、8階特集展示室において、特集展示「甲冑(かっちゅう)・馬具(ばぐ)・刀装(とうそう)-太田四郎氏寄贈品と武具の優品」を開催し、平成12年度に太田四郎氏から寄贈された12件に、古代から明治時代までの武器武具類(重要文化財1件・重要美術品1件を含む)を加えた約50件を展示します。

今回の展示では、太田四郎氏の寄贈品全てを公開するとともに、その収集ジャンルである武器武具にちなみ、本館の所蔵品・寄託品の中から、ユニークな意匠を凝らした変わり兜(かぶと)、馬の鞍(くら)や鐙(あぶみ)、大坂城下から出土した刀の小柄(こづか)、明治時代に制作された正倉院の太刀拵(たちごしらえ)写しなど、重要文化財1件、重要美術品1件を含む武具類を加えた約50件を展示し、さまざまな工芸技法や意匠に彩られた武器武具の造形世界を幅広くご紹介します。

太田四郎氏(大正3年~平成14年)は、(社)日本甲冑武具研究保存会近畿支部長を歴任したことでも知られる大阪在住の武器武具コレクターで、大阪市立博物館時代を含め約40年の間、博物館活動にご尽力いただいてきた、博物館の支援者でもあります。
 平成12年度に寄贈された品は、刀剣とその拵(こしらえ)(刀剣外装)、甲冑を身につける際に顔を覆う「面頬(めんぼお)」、戦陣に持参できるような形状の酒器や弁当箱など、幅広い内容の作品群で、武器武具の多様な側面を見て取ることができます。

なお、会期中には学芸員による子ども向け事業「楽しいかぶと教室」、「こども向け展示あんない」のほか、一般向けのギャラリートークを開催します。


 わくわく子ども教室
      『楽しいかぶと教室-解説文を作ってみよう』

展示予定の江戸後期の兜を見、学芸員の話を聞き、子どもたち自身で解説文を作っていただきます。作った解説シートは展示会場で作品のそばに展示される予定です。

【開催日時】平成18年4月15日(土)、4月22日(土)(全2日間)
      両日とも午前10時 ~12時

期間中の関連行事
 学芸員による子どもむけ展示あんない

【開催日時】平成18年4月29日(土・祝) 午後1時30分 ~2時
【会  場】大阪歴史博物館 8階特別展示室
【参加費 】無料(ただし高校生以上の方は常設展示観覧料が必要)
【参加方法】上記の時間に会場(8階特集展示室)へお越しください。

 学芸員によるギャラリートーク

【開催日時】平成18年5月20日(土) 午後1時30分 ~2時
【会  場】大阪歴史博物館 8階特別展示室
【参加費 】無料(ただし高校生以上の方は常設展示観覧料が必要)
【参加方法】上記の時間に会場(8階特集展示室)へお越しください。


 
展示品リストを公開しました。
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おもな展示資料

宇治川先陣図鐔 銘 勝随(しょうずい)
(うじがわせんじんずつば)

  江戸時代 本館蔵(太田四郎氏寄贈)

「宇治川先陣図鐔」詳細へ
 
展示資料数:
 約50点
 うち
 重要文化財1件
 重要美術品1件

黒塗菊蒔絵陣中酒器
(くろぬりきくまきえじんちゅうしゅき)

  江戸時代  本館蔵(太田四郎氏寄贈)

「黒塗菊蒔絵陣中酒器」詳細へ

翁面頬
(おきなめんぼお)
  桃山時代 本館蔵(太田四郎氏寄贈)

「翁面頬」詳細へ

〔重要文化財〕黒韋威胴丸
       (くろかわおどしどうまる)
  南北朝時代 壺井八幡宮所蔵

「黒韋威胴丸」詳細へ

おもな展示資料

 
宇治川先陣図鐔 銘 勝随

(1) 宇治川先陣図鐔 銘 勝随
  うじがわせんじんずつば   しょうずい

  江戸時代 本館蔵(太田四郎氏寄贈)

銅と銀の合金の素地に、平家物語中の「宇治川先陣争い」の図を表した刀の鐔で、さまざまな金属で人物や情景を立体的に表した、武士の腰物にふさわしい豪華な作品。作者の勝随は江戸時代後期の江戸の金工。

※1-宇治川の先陣:佐々木高綱(ささきたかつな)(名馬いけずきに騎乗)と梶原景季(かじわらかげすえ)(名馬するすみに騎乗)がそれぞれの名馬に乗り宇治川で先陣争いを展開、佐々木が先陣を果たすというストーリー。

(2) 黒塗菊蒔絵陣中酒器
  くろぬりきくまきえじんちゅうしゅき

  江戸時代  本館蔵(太田四郎氏寄贈)

陣中での使用に適すよう、腰の脇に沿う三日月状の曲線形をした酒器。ごく薄手の器体に黒漆を塗り、金銀の薄い板を象嵌する(金貝(かながい))ほか、大小の枝菊と数羽の雀などを蒔絵(まきえ)で表した繊細な作。

黒塗菊蒔絵陣中酒器

(3) 翁面頬
  おきなめんぼお

  桃山時代 本館蔵(太田四郎氏寄贈)

面頬とは、甲冑を身につける際に顔を覆う防具で、これは特に露出の多い顔の下半分を覆う面具。この面頬は翁をモチーフとした親しみやすい風貌で、しわの表現や人の肌色を表す表現がリアルな作。翁の表情を味わい深く表現した存在感のある面頬である。

翁面頬

(4) 〔重要文化財〕黒韋威胴丸
            くろかわおどしどうまる

  南北朝時代 壺井八幡宮所蔵

大阪府羽曳野市にある壺井八幡宮所蔵の胴丸。南北朝時代に入るころ、馬上戦から集団戦・徒歩戦へと戦闘方式が変わるにつれ、動きやすい胴丸(どうまる)が生み出された。この品は「広袖(ひろそで)」と呼ばれる裾(すそ)広がりの袖を伴い、南北朝から室町にかけての胴丸の典型的な様式を見せる。

〔重要文化財〕黒韋威胴丸