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  5. 大阪歴史博物館・大阪大学総合学術博物館連携企画 第52回特集展示「城下町大坂」

(H25.7.19更新)

大阪歴史博物館・大阪大学総合学術博物館連携企画 第52回 特集展示

城下町大坂

 ◆ 平成20年 2月20日(水) 3月31日(月) ◆ 

毎週火曜日休館

会 場
8階 特集展示室

時 間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで

観覧料



主 催 大阪大学総合学術博物館、大阪歴史博物館

大阪歴史博物館では、平成20年2月20日(水)から3月31日(月)まで、8階特集展示室において、大阪大学総合学術博物館・大阪歴史博物館連携企画 特集展示 「城下町大坂」を開催します。群馬県立歴史博物館など、大坂城在勤経験をもつ武士に関する資料の所蔵機関から約50点の資料を借用・展示し、普段、経済の町としての印象が強い江戸時代の大坂がもっていた政治的役割と武士の活動に触れる機会を提供します。
 これまでの江戸時代の大坂のイメージは、ともすれば商人の町という印象が強いといえます。また、大阪といえば豊臣氏時代の大坂城を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、印象は薄いかもしれませんが、江戸時代の大坂城は250年以上にわたって徳川幕府直轄の城として存在していました。とはいえ大坂城を徳川将軍が訪れることはほとんどありませんでした。殿様のいない大坂城では、将軍に代わって譜代大名(ふだいだいみょう)や旗本(はたもと)らが交代で勤務し、大坂城の警備やその他の政務に当たりました。その筆頭が大坂城代(おおさかじょうだい)であり、以下、定番(じょうばん)、大番(おおばん)、加番(かばん)などが任を勤めていました。本展示は、絵図・地図によってかれらの活動の一端を見ていこうというものです。
 本展示は、大阪大学総合学術博物館と大阪歴史博物館の共催で実施します。これは、大阪大学総合学術博物館の第2回特別展、大阪歴史博物館の特集展示として位置付けられるものであり、大阪大学と大阪市が結んでいる連携協力の協定にともなう事業の一貫でもあります。この展示が、今日の大阪の町と大阪城について、従来とは違う角度からながめる機会になれば幸いです。
 会期中の2月24日(日)14時30分から、小林 茂 氏(大阪大学大学院文学研究科教授)・鳴海邦匡 氏(大阪大学総合学術博物館助教)による講演会「殿様のいない城下町―大坂の侍たち―」を、また3月9日(日)の14時から、本館学芸員らによる展示解説をおこないます。

【用語解説】
  • 大坂城代(おおさかじょうだい)
     幕府が任ずる大坂在勤の役職の最高責任者。大坂城の警固と西国大名の監視を任務とする。幕府の信任の厚い譜代大名が命ぜられた。
  • 定番(じょうばん)
     大坂城代を助けて大坂城の警固に当たった。定員は2名で、二の丸の玉造口と京橋口に置かれた。1~2万石の小大名が任ぜられた。城番ともいう。
  • 大番(おおばん)
     将軍直属の軍団で江戸城・京都二条城・大坂城に置かれた。大番頭(5千石取)を中心に組頭・番士ら81名でひとつの組を構成した。大坂城の大番衆は毎年8月に交代した。
  • 加番(かばん)
     定番に加勢して大坂城の警固に当たった。定員は3~4名で、1~5万石の大名が任ぜられた。毎年8月に交代した。


期間中の関連行事
 『講演会』
【主 催】 大阪大学総合学術博物館・大阪歴史博物館
【日 時】 平成20年2月24日(日) 14時30分~16時
【演 題】 「殿様のいない城下町―大坂の侍たち―」
講師:小林 茂 氏(大阪大学大学院文学研究科教授)
   鳴海邦匡 氏(大阪大学総合学術博物館助教)
【会 場】 大阪歴史博物館 4階 講堂
【参加人数】 250名(当日先着順 14時より会場にて受付)
【参加費】 無料
 『展示解説』
【日 時】 平成20年3月9日(日) 14時から(約30分間)
【会 場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室
【担 当】 本館学芸員他
【参加費】 無料(ただし、ご入場には常設展示観覧料が必要です)

※以上のほかに、下記シンポジウムも本展示の内容と関連します。
 大阪歴史博物館共同研究シンポジウム「城下町大坂を考える」
【主 催】 大阪歴史博物館
【共 催】 大阪大学総合学術博物館
【日 時】 平成20年3月23日(日) 10時~16時
【会 場】 大阪歴史博物館 4階 講堂
【参加人数】 250名(当日先着順 9時30分より受付)
【参加費】 無料(ただし、特集展示見学は常設展示観覧料が必要です)
【内 容】 1:報告
 ・鳴海邦匡 氏(大阪大学総合学術博物館助教)
   「絵図・地図からみた城下町大坂」
 ・塚田 孝 氏(大阪市立大学大学院文学研究科教授)
   「都市大坂と武士」
 ・豆谷浩之(本館学芸員)
   「発掘調査からみた大坂の武家地・武家屋敷」
 ・田原 昇 氏(江戸東京博物館都市歴史研究室専門研究員)
    「都市の中の江戸城」
2:特集展示解説
  (8階特集展示室にて。参加自由。
             常設展示観覧券が必要です。)
3:パネルディスカッション
   (司会)八木滋、大澤研一(本館学芸員)

おもな展示資料

七日市藩主大坂登城行列図

  天保3年(1832) 群馬県立歴史博物館蔵

「七日市藩主大坂登城行列図」詳細へ
 
展示資料数:
 約50点
「大坂御家中屋敷割図(鶴賓文庫)」詳細へ

大坂御家中屋敷割図(濱本鶴賓文庫)

  延享2年(1745)頃 福山市立福山城博物館蔵

「大坂御城御加番御交代節大手固行列之絵図」詳細へ

大坂御城御加番御交代節大手固行列之絵図

  正徳3年(1713) 本館蔵

おもな展示資料

七日市藩主大坂登城行列図
七日市藩主大坂登城行列図

(1) 七日市藩主大坂登城行列図
(なのかいちはんしゅおおさかとじょうぎょうれつず)

  天保3年(1832) 群馬県立歴史博物館蔵

七日市藩(なのかいちはん)(群馬県富岡市)の藩主前田利和(まえだとしよし)が文政3年(1820)、大坂城の加番(かばん)に赴任する際、一行が行列を組んで大坂城に入城する状況を描いた巻物。巻頭に大坂城を描き、そのあとに背景画のない大名行列を続けている。こうした大坂城への入城図は珍しい。

(2) 大坂御家中屋敷割図(鶴賓文庫)
(おおさかごかちゅうやしきわりず)

  延享2年(1745)頃 福山城博物館蔵

福山藩(広島県福山市)の藩主阿部正福(あべまさよし)が延享2年(1745)から大坂城代を勤めた際、福山から同行した家臣に対し、大坂城の南西部にあった城代屋敷を居宅として割り付けた際の図面。

大坂御家中屋敷割図(鶴賓文庫)
大坂御城御加番御交代節大手固行列之絵図

(3) 大坂御城御加番御交代節大手固行列之絵図
(おおさかおしろごかばんごこうたいのせつおおてかためぎょうれつのえず)

  正徳3年(1713) 本館蔵

大坂城の加番は毎年8月に交代したが、本図は正徳3年(1713)8月の交代の際に、大坂城の大手門内外で組んだ隊列の配置を示している。