大阪歴史博物館では、平成20年2月20日(水)から3月31日(月)まで、8階特集展示室において、大阪大学総合学術博物館・大阪歴史博物館連携企画 特集展示 「城下町大坂」を開催します。群馬県立歴史博物館など、大坂城在勤経験をもつ武士に関する資料の所蔵機関から約50点の資料を借用・展示し、普段、経済の町としての印象が強い江戸時代の大坂がもっていた政治的役割と武士の活動に触れる機会を提供します。
これまでの江戸時代の大坂のイメージは、ともすれば商人の町という印象が強いといえます。また、大阪といえば豊臣氏時代の大坂城を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、印象は薄いかもしれませんが、江戸時代の大坂城は250年以上にわたって徳川幕府直轄の城として存在していました。とはいえ大坂城を徳川将軍が訪れることはほとんどありませんでした。殿様のいない大坂城では、将軍に代わって譜代大名(ふだいだいみょう)や旗本(はたもと)らが交代で勤務し、大坂城の警備やその他の政務に当たりました。その筆頭が大坂城代(おおさかじょうだい)であり、以下、定番(じょうばん)、大番(おおばん)、加番(かばん)などが任を勤めていました。本展示は、絵図・地図によってかれらの活動の一端を見ていこうというものです。
本展示は、大阪大学総合学術博物館と大阪歴史博物館の共催で実施します。これは、大阪大学総合学術博物館の第2回特別展、大阪歴史博物館の特集展示として位置付けられるものであり、大阪大学と大阪市が結んでいる連携協力の協定にともなう事業の一貫でもあります。この展示が、今日の大阪の町と大阪城について、従来とは違う角度からながめる機会になれば幸いです。
会期中の2月24日(日)14時30分から、小林 茂 氏(大阪大学大学院文学研究科教授)・鳴海邦匡 氏(大阪大学総合学術博物館助教)による講演会「殿様のいない城下町―大坂の侍たち―」を、また3月9日(日)の14時から、本館学芸員らによる展示解説をおこないます。