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特別企画展「変わり兜百頭展」主な関連行事
(H26.2.7更新)

鉄錆地雑賀兜画像

鉄錆地雑賀兜(てつさびじさいがかぶと) 握鋏脇立(にぎりばさみわきだて)・梵字前立(ぼんじまえたて)付鉄錆地目(てつさびじめ)の下頬(したほお)付

個人蔵

雑賀兜とは、紀州(和歌山県)雑賀荘の甲冑師が制作したといわれる兜鉢の様式で、室町時代以降、大陸風な新しいタイプの兜として好まれた。この作品は鉄錆地6枚をはぎ合わせ、合わせ目にシンメトリーの曲線意匠に切った鉄を置く。両脇に付く大きな金の立物は握りバサミをモチーフとしており、強さの中に愉快さを加味している。前立には、武具の意匠に多用された梵字を用い、護身を託すことにも余念がない。

尉頭形兜

尉頭形兜(じょうとうなりかぶと)

個人蔵

変わり兜の中には兜鉢の上に様々な動物の毛を植毛し、老人や若者、また動物そのものを象ったものがあるが、これば後頭部で髪を束ねて髻(もとどり)とした、いわゆる「尉頭形」の兜。武士たちの変身願望を満たしてくれる品であったに違いない。

黒漆塗金覆輪筋兜

黒漆塗金覆輪筋兜(くろうるしぬりきんふくりんすじかぶと)板屋貝大前立(いたやがいおおまえたて)付

個人蔵

大きな金の貝をあしらった前立と鉢の頭高の高さが印象に残る兜。兜鉢はつなぎ目に筋目を立てた筋兜と呼ばれる様式の鉢で、筋目部分には金を施す。鉢の筋目と貝の筋目がパラレルに調和し、ただ目立つだけでなく、美しさと威厳を兼ね備える。前立は鉢の高さよりはるかに大きく、金色鮮やかであり、相当人目を惹き付けたでことであろう。

円鉄錆地軍配団扇兜

円鉄錆地軍配団扇兜(てつさびちぐんばいうちわかぶと)

個人蔵

一見地味だが、手の込んだ造りの兜。鉢の上半分は丸みを持たせた鉄板で、中程で切り替え、下半分は筋兜のように縦に鉄板を接ぎ合わせる。軍配団扇は前立風に見せる、一種のフェイクともいえる見立てを用いるが、実際には鉢と固定されている。このような見立ての趣向は、江戸時代に愛好されたものであり、江戸期における変わり兜の発展を大きく支えた文化的指向である。

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