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大阪の知られざる“最後の職人”穐山竹林斎作「龍自在置物」の受贈
※このイベントは終了いたしました。
(H20.4.1更新)
 大阪市では平成20年3月、埼玉県在住の西條敏弘氏より大阪にゆかりある作家の作品として、穐山竹林斎作「龍自在置物」の寄贈申し出を受けました。
このような自在置物は金属製のものが知られていますが、木彫の作品は他に類を見ないという点で、大変珍しいものです。

 この作品は穐山竹林斎あきやまちくりんさい(1891〜1937)の作で、自筆の箱書によると2年の歳月をかけて制作されたとされるもので、細密精緻な木彫により鱗の一片一片を作成し、それらを紐状のもので互い違いにつなぎ合わせることで、龍の鱗の如く自由な曲線状に動かすことが出来るという力作です。現在では再現不可能ともいえる渾身の彫技は、まさに「最後の職人芸」であるといえるでしょう。

 穐山竹林斎(本名:竹四郎)は京都生まれで大阪市内にて彫刻活動を始めます。最初は置物制作を、後年は仏像彫刻を中心に、一点一点を入念に制作し、皇室関係や寺社、海外の王室などに献納しながらも、自ら名を売ることを嫌い、無名のまま47年の短い生涯を終えます。遺作の愛染明王像はあびこ山大聖観音寺(大阪市住吉区)に現在まで祀られるも、彫刻家としては全く無名のまま今日を迎えましたが、今回の受贈により、初めてその技術力の高さに光が当てられることになります。

 今回の寄贈は、これまで全く知られることがなかった彫刻の名人・穐山竹林斎を再評価し、この貴重な文化財を後世に保存することを希望されての申し出であり、4月2日(水)からの特集展示「新収蔵資料展」で初公開します。

 なお、本作品は平成11年(1999年)、テレビ東京系の番組「開運!なんでも鑑定団」(4月20日OA)にて紹介され、当時時価1,500万円という大変高い評価を受け、のちに同番組の「お宝の殿堂第20号」に指定された経緯があります。
大阪の知られざる“最後の職人”穐山竹林斎作「龍自在置物」の受贈
作品名称
龍自在置物
制作年代
大正12年5月
作  者

穐山竹林斎 (明治24年〜昭和12年)

会  場
大阪歴史博物館 4階 講堂 交通のご案内
「龍自在置物」について
 全長約75cm(最大長)。
 自筆の箱書等によると、竹林斎は同様の置物を2点制作し、1点は宮家に、もう1点は立山神祗の佐伯家に納めたという。また、あびこ山大聖観音寺にも同様の龍が秘仏扱いとして金辰殿に祀られており、遺された資料を見る限り、大正十年代に複数の龍を制作したようであるが、現時点で実物を確認できるのは本作品のみである。(あびこ観音の龍は秘仏により非公開)
今回の受贈
の意義
  • 高村光雲とも併称される人物でありながら全く無名を貫いた人物の再評価
  • 木製自在置物というこれまで知られていなかった資料特性を持つ作品の発見
  • 埋もれていた近代大阪の文化人の掘り起こし
作品の公開
について
特集展示「新収蔵資料展」(平成20年4月2日〜5月19日)の会場内(当館8F特集展示室)にて公開。常設展示料金で観覧可能。
■代表写真 ■穐山竹林斎顔写真(遺族提供)
■自在に動くさま