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古代の塩 -難波(なにわ)で出土した製塩土器-

(H26.6.13更新)

平成22年12月22日(水)~ 平成23年3月28日(月)(予定)

淡路・播磨産の製塩土器
淡路・播磨産の製塩土器
筑紫・長門周防産の製塩土器
筑紫・長門周防産の製塩土器

古代の律令国家は、若狭や紀伊など塩を生産した西日本諸国に、大人の男性1人につき年に3斗の塩を課税していました。平城宮では各地から運ばれた塩の荷札木簡が出土しており、実際に塩が貢納されていたことを裏付けています。

今回展示する製塩土器は天王寺区上本町遺跡でまとまって出土したもので、大きなボウル状のもの(淡路か兵庫西部産)と、筒状のもの(福岡・山口県産)があります。つまり各地で、その地域に特有の土器で海水を煮詰めて塩をつくり、できた塩が入ったまま容器として難波に運ばれ、流通していたことを示すのです。年代は奈良時代前半ごろです。

その後、奈良時代後半から平安時代初期ごろまで、難波では大阪湾周辺や福岡など各地の製塩土器が出土し、あたかも塩の流通センターだったかのようです。ところが、奈良時代後半にはこれと反対に、平城宮で塩の木簡が出土しなくなります。なぜでしょうか? 塩は貢納されなくなったのでしょうか?

そのころ盛んに流通した製塩土器の中味は、貢納(税)の塩ではなく、私的な交易の塩だったのかもしれません。

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