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特別展 幕末・明治の超絶技巧-世界を驚嘆させた金属工芸-清水三年坂美術館コレクションを中心に
(H25.8.26更新)

主な展示資料

群鶏図香炉ぐんけいずこうろ

群鶏図香炉

正阿弥勝義しょうあみかつよし
明治時代
清水三年坂美術館所蔵

正阿弥勝義は津山藩のお抱え金工の一家に生まれ、刀装具制作に力を発揮するが、40歳代で廃刀令を迎え、以後は彫金作家として数多くの作品を残す。この作品は、銀地の本体に金、銀、赤銅しゃくどう素銅すあかなど各種金属を組み合わせ、象嵌ぞうがんによって様々な鶏の姿を表現する。ドーム状の火屋ほやには、小菊を密に高肉彫たかにくぼりで表し、摘みつまみの雄鶏は丸彫で立体的に表す。あらゆる彫金技法を駆使して作られた、正阿弥勝義の代表的作例のひとつである。




蓮葉に蛙皿はすばにかえるさら

蓮葉に蛙皿

正阿弥勝義しょうあみかつよし
明治時代
清水三年坂美術館所

素銅地に鋤彫すきぼりで葉脈を、細かな槌目つちめで葉の質感を表現した小品である。虫食いの穴や枯れた葉の色調まできめ細かく対象を観察して再現している。さらに目を引くのが、巻いた葉の上に飛び乗った瞬間を捉えた雨蛙である。一瞬の動きを捉えた観察力と、それを金属で表現する高い技術力に驚かされる。




草花文香炉そうかもんこうろ

草花文香炉

駒井こまい
明治時代
清水三年坂美術館所蔵

駒井音次郎は幕末の京都に生まれ、廃刀令までは刀装具を手がける。その後外国人向けの細密な布目象嵌ぬのめぞうがんを駆使した置物を手がけるようになり、その独特の作風は「駒井スタイル」としてひとつのブランドを形成した。この作品も、鉄地に細かい金銀の薄板をたたき込む布目象嵌を徹底して施したもので、欧米人好みに、細密でオリエンタルなムードを醸し出している。




自在置物じざいおきもの たか

自在置物 鷹

板尾新次郎いたおしんじろう
明治時代
清水三年坂美術館所蔵

板尾新次郎は和歌山県の出身、のち大阪へ出て活躍した彫金家で、生き物の体が実際の姿のように動かすことができる「自在置物」を得意とした。大阪市東区(現 中央区)粉川町に居宅を構え、各種博覧会に出品していたことが文献により知られる。この作品は大阪時代の作と目され、今回初めての里帰りとなる。翼の開閉はもちろん、尾羽の開閉、爪も動かすことができるという、驚きの構造を備えている。



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