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開館10周年記念 特別展 民都大阪の建築力
(H25.8.27更新)

主な展示資料

大阪市公会堂設計競技1席 岡田信一郎案透視図

大阪市公会堂設計競技1席 岡田信一郎案透視図

明治45年(1912)
大阪市中央公会堂蔵

株取引で巨額の財をなした岩本栄之助は、渋沢栄一を団長とする渡米実業団に参加し、アメリカの資本家が公共のために寄付をする様を視察、大阪市へ公会堂の建設資金として百万円を寄付した。その期待に応えるべく、設計にあたっては全国の第一線で活躍する建築家17名による指名設計競技が行われ、13人が期限内に応募。最年少の岡田信一郎(当時29歳)の案が一席に選ばれた。現在の公会堂はこの案をもとに、大正7年(1918)に竣工した。


大阪城天守閣新築設計図より南北面立面図・部分

大阪城天守閣新築設計図より南北面立面図・部分

昭和4~6年頃(1929~1931頃)
大阪城天守閣蔵

大坂城には豊臣・徳川期にそれぞれ天守が造営されたが、いずれも30~40年で焼失してしまった。現在の天守閣は、昭和6年(1931)に市民の寄付金をもとに復興された鉄骨鉄筋コンクリート造の「永久建築」で、今年復興80周年を迎える。豊臣期の天守の忠実な復元を目指し、当時として可能な限りの学問的な考証が重ねられた。本図は、復元考証の中心人物であった大阪市建築課の古川重春による自筆図面。


旧鴻池本店ステインドグラス

旧鴻池本店ステインドグラス

大正3年(1914)
株式会社 鴻池組蔵

総合建設業・鴻池組が、明治43年(1910)に創業の地・此花区伝法に建てた旧鴻池本店は、日本における数少ないアール・ヌーボー建築の傑作として知られる。本ステインドグラスは、大正3年(1914)の改築時の制作と考えられ、玄関を入ってすぐの窓に用いられたもの。構図の美しさに加え、それぞれの部分にはめ込まれたガラスが表情豊かで素晴らしい。


島野三秋しまのさんしゅう作「旧そごう大阪店エレベータ漆螺鈿うるしらでん装飾扉」

島野三秋作「旧そごう大阪店エレベータ漆螺鈿装飾扉」

昭和10年(1935)
株式会社 大丸松坂屋百貨店蔵

旧そごう大阪店は、建築家村野藤吾の設計で建てられた大阪を代表する百貨店建築のひとつだった。店内には、さまざまな美術家・工芸家による作品が彩りを添え、建築自体が美術館のような存在であった。このエレベータ扉は、大阪で活躍した工芸家・島野三秋による作品で、百貨店の改築時に屏風仕立てにして保存されていたもの。


伊達伸明だてのぶあき作「美章園温泉ウクレレ」(写真左:表、同右:裏)

伊達伸明作「美章園温泉ウクレレ」(写真左:表、同右:裏)

伊達伸明氏蔵

取り壊される建築物から思い出の部分を集め、ひとつの楽器・ウクレレをつくる活動を続ける美術家・伊達伸明氏が制作した美章園温泉ウクレレ。美章園温泉は、昭和8年(1933)に竣工したモダンな銭湯。ネックには「貴重品は番台へ!」の注意書き、ボディ背面には下駄箱の扉部分が使われるなど、美章園温泉の記憶がひとつの楽器のなかに凝縮されている。


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