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(H25.7.15更新)

第74回 特集展示

新発見!なにわの考古学2011

◆ 平成23年 7月6日(水)~10月3日(月) ◆
毎週火曜日休館
会場
8階 特集展示室
時間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
観覧料
常設展示観覧料でご覧いただけます
主催
大阪歴史博物館・大阪文化財研究所
第74回特集展示「新発見!なにわの考古学2011」

大阪歴史博物館では、平成23年7月6日(水)から10月3日(月)まで、8階特集展示室において特集展示「新発見!なにわの考古学2011」を開催します。

この特集展示では、平成21・22年度に大阪文化財研究所が行った大阪市内の遺跡発掘調査の中から、古墳時代の初期須恵器窯(難波宮跡)、飛鳥時代の前期難波宮の壁土(難波宮跡)、難波京とその条坊制の存在を示唆する奈良時代の橋(上本町遺跡)、江戸時代の国産磁器の最高峰に位置付けられる鍋島焼(佐賀藩蔵屋敷跡)など、主要な成果を約300点の出土資料と発掘現場の写真パネルでご紹介します。

またテーマ展示では、かつて輸出産業の花形であった、近現代の貝ボタン産業と大阪の係わりについて、遺跡から出土した製造過程の廃材から、現代の貝ボタン製品まで、幅広い資料を通してご紹介します。


期間中の関連行事

『大阪の歴史を掘る2011』講演会

「平成22年度 大阪市内の発掘調査」
宮本康治氏(大阪市教育委員会事務局 主任学芸員)
「須恵器生産のはじまりと日本列島の国家形成 -大阪の遺跡を中心に-
菱田哲郎氏(京都府立大学文学部 教授)
【日時】 平成23年8月14日(日)
午後1時30分~4時30分(午後1時より受付)
【会場】 大阪歴史博物館 4階 講堂
【定員】 250名(当日先着順)
【参加費】 500円(資料代を含む)
【参加方法】 当日直接会場にお越しください

展示解説

【日時:担当】
第1回 7月24日(日):高橋工(大阪文化財研究所学芸員)
第2回 7月31日(日):宮本康治氏(大阪市教育委員会事務局主任学芸員)
第3回 8月14日(日):池田研(当館学芸員)
第4回 8月28日(日):清水和明(大阪文化財研究所学芸員)
 第1・2・4回は午後2時より、第3回は午後0時より30分程度
【会場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室内
【参加費】 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です)
【参加方法】 当日直接会場へお越し下さい

体験イベント「奈良時代の大きなかめに触れてみよう」

第1回 7月31日(日):寺井誠(当館学芸員)
第2回 8月28日(日):池田研(当館学芸員)
 いずれも午後2時30分~午後4時まで
【会場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室内
【参加費】 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です)
【参加方法】 当日直接会場へお越し下さい

おもな展示資料

展示資料数:約300点
市内を走る二階つき電車
奈良時代の橋が見つかった谷出土の土器群

天王寺区 上本町遺跡 奈良時代
地下鉄開通ポスター
前期難波宮の宮殿の壁土

中央区 難波宮跡 飛鳥時代
運転系統図
鍋島焼

北区 佐賀藩蔵屋敷跡 江戸時代

主な展示資料

奈良時代の橋が見つかった谷出土の土器群

(1)奈良時代の橋が見つかった谷出土の土器群

天王寺区 上本町遺跡 奈良時代

上本町遺跡で見つかった谷からは奈良時代に属する大量の土器や、瓦・製塩土器・土錘・動物骨などが出土しました。土器は須恵器や土師器から構成され、中には1mもの高さがある大甕(おおがめ)や、墨書・墨画のあるものも含まれています。この谷で検出された橋は難波京とその条坊制の存在を示唆する画期的な発見となりましたが、橋の年代を決定する上でこれらの土器は重要な役割を果たしました。


前期難波宮の宮殿の壁土

(2)前期難波宮の宮殿の壁土

中央区 難波宮跡 飛鳥時代

難波宮東方官衙とうほうかんがの東隣の谷からは大量の壁土が出土しました。大半が火を受けており、朱鳥元年(686)に焼失した前期難波宮の宮殿建物の残骸が捨てられたものとみられます。土壁はスサ(植物繊維)を混ぜた粘土を荒壁とし、外側に砂を混ぜた中塗りを行い仕上げているものが多く、中には白土はくどあるいは漆喰しっくいで上塗りされたものもあります。『日本書紀』に「その威容は言葉に尽くしがたい」と評された難波長柄豊崎宮なにわながらとよさきのみや(前期難波宮)の宮殿の外観を知る重要な手掛かりとなりました。


鍋島焼

(3)鍋島焼

北区 佐賀藩蔵屋敷跡 江戸時代

佐賀藩蔵屋敷跡の調査では、盛期(1690~1720年)の鍋島焼がまとまって出土しました。鍋島焼とは、将軍家への献上を主目的とし、佐賀藩(鍋島家)が採算を度外視して作った江戸時代の最高級磁器です。贈答を目的とした器であるため一般に流通することはなく、発掘調査で出土することは極めて珍しいものです。一般の肥前磁器(伊万里焼)とは一線を画するデザイン力と精緻さをご堪能下さい。