大阪歴史博物館では、平成23年5月25日(水)から7月4日(月)まで、8階特集展示室において、特集展示「懐かしい市電とバスのある風景」を開催します。
大阪の市電は、明治36年(1903)9月、日本初の公営の路面電車として、花園橋-築港桟橋間5kmが開業しました。翌年には二階つき電車も登場し、路線は順調に延びて大正時代には営業距離も50kmを超え、市民の足として定着しました。
一方、昭和2年(1927)2月には、阿倍野橋-平野間4.8kmで市営バスの営業が開始されました。車体の色から「銀バス」という呼び名も生まれ、民営バスの「青バス」とサービス合戦を繰り広げました。また、昭和8年(1933)5月には、地下鉄が登場。梅田-心斎橋間3.1kmを結び、新しい都市交通として発展していきます。
戦後は、モータリゼーションの波にのまれ、昭和44年(1969)に市電が全廃されますが、その思い出は今も市民の心の中に残っています。
本展では、大阪における市電・バス・地下鉄などの都市交通について、大阪市交通局が所蔵する貴重な写真約40点を中心に、同局所蔵のポスター・車両模型・グッズや、大阪歴史博物館所蔵の運転系統図などの実物資料によって、明治30年代から昭和40年代までの歩みを振り返るとともに、懐かしい大阪の街の風景を感じ取っていただくものです。