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大阪の衛生組合

(H26.6.11更新)

平成23年7月20日(水)~ 9月19日(月・祝)(予定)

天神橋筋四丁目第一・第二衛生組合会計帳簿
天神橋筋四丁目第一・第二衛生組合会計帳簿
明治40年~大正4年(1907-1915) 本館蔵 野村吉夫氏寄贈
天神橋筋四丁目内で組織されていた二つの衛生組合の会計帳簿です。二つの組合は、それぞれに組長がおり、別々に組織されていましたが、会計は一緒に処理していました。歳出の主なものは毎月行われる掃除費で、歳入のほとんどは、組合員からの集金でした。二つの組合は、大正4年に松ヶ枝まつがえ衛生組合が結成されたため、解散しました。
松ヶ枝衛生組合歳入出総決算
松ヶ枝まつがえ衛生組合歳入出総決算
大正5~14年(1916-1925) 本館蔵 野村吉夫氏寄贈
大正4年に結成された松ヶ枝衛生組合の区域は、松ヶ枝小学校の学区の区域と同一でした。毎年、組合は、下水道・街路掃除、街路撒水さっすい、伝染病予防注意書の配布、講話会などの普及活動、屎尿しにょう汲取などの事業を実施していました。組合の歳入のほとんどは、組合区域内の各世帯から戸数割というかたちで徴集される組合費でした。
松ヶ枝衛生組合費出納簿控
松ヶ枝衛生組合費出納簿控
大正6~14年(1917-1925) 本館蔵 野村吉夫氏寄贈
松ヶ枝衛生組合の会計収支を年度ごとに記録したものです。細かな支出や収入の伝票が別にあり、それと対照できるようになっています。興味深いのは、この帳簿に市会議員候補者の名刺が挿まれていたことです。衛生組合が選挙運動など政治的機能を果たしていたことを示唆する資料です。

衛生組合とは、伝染病予防など衛生行政を地域社会の末端でささえるために住民同士で結成された組織です。大阪では、明治10年代後半から10~100戸単位に自生的に組織されはじめ、明治20年(1887)に大阪府によって公認されました。従来、衛生組合は、明治30年に小学校の学区単位に再編成されたと考えられていましたが、今回展示する資料によって、30年以後も一部の地域では、学区よりも狭い範囲、具体的には町レベルで組合が組織されていた事例があることが確認されました。また、衛生組合は、単に衛生行政を補完しただけでなく、政治的に重要な役割を果たしていたと考えられています。今回の展示では、衛生組合の政治的機能をうかがわせる資料も展示しています。どうぞ、ご覧下さい。(飯田直樹)

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