1. ホーム
  2. 展示・イベント
  3. 常設展示
  4. 常設展示更新
  5. 過去年度の展示更新
  6. 日本における「タイル」名称統一90周年 ―近代建築を彩るタイル―

日本における「タイル」名称統一90周年 ―近代建築を彩るタイル―

(H26.6.12更新)

平成24年3月14日(水)~ 7月9日(月)(予定)

チューブライニング・タイル
チューブライニング・タイル
大正時代~昭和初期 本館蔵(藤田洋三氏寄贈)
明治時代、英国などからの輸入タイルは暖炉の装飾に使われたが、明治半ばから国産化がはじまり、順次水まわりや外壁などに使われた。本品は、輸入品の図柄を模したと思われる装飾タイルで、名古屋の佐治タイル製。チューブライニングとは、図柄の稜線を盛り上げて、釉薬ゆうやく同士が混ざらないようにした技法。
大阪府立天王寺高等学校旧本館 装飾タイル
大阪府立天王寺高等学校旧本館 装飾タイル
昭和4年(1929) 本館蔵(瀧華 正氏寄贈)
天王寺高等学校(旧制天王寺中学校)の昭和4年に建てられた旧本館には、玄関広間に正方形の布目タイルが使われていた。大正から昭和初期にかけ、日本のやきものの風合いを持つようなタイルが流行したが、本品もそのひとつで、京都の宇野焼美術タイル(宇野仁松)が建築材料であるタイルに販路を広げ製造したもの。校舎改築にあたり、額装して記念品となった。
大阪府立北野高等学校旧本館 装飾タイル
大阪府立北野高等学校旧本館 装飾タイル
昭和6年(1931) 本館蔵(蘆田雅子氏寄贈)
北野高等学校(旧制北野中学校)の昭和6年に建てられた旧本館は、内外装にタイルを多用していた。中でも玄関広間の壁面タイルは、表面に大きな凹凸がある幾何学的な構成のもので、壁面一面に貼ったときの効果を狙ったものだが、一枚だけでも十分観賞に値する。
旧近鉄百貨店阿倍野店 塔屋タイル
旧近鉄百貨店阿倍野店 塔屋タイル
昭和12年(1937) 本館蔵(近畿日本鉄道株式会社寄贈)
近鉄百貨店阿倍野店の前身・大鉄百貨店は、久野建築事務所の設計により昭和12年(1937)に完成した。建物は戦後、村野・森建築事務所により増改築され、最近まで使われていた。本タイルは、屋上塔屋壁面に使われていたもので、竣工時のままの部分。二丁掛にちょうがけと呼ばれるサイズで、戦前・戦後を通して日本のビルの外装材で主流となったもの。

私たちの身近な建物には、内外装にたくさんのタイルが使われています。日本のタイルのルーツには寺院のせんや城郭・町家のなまこ壁などがありますが、本格的な使用は明治時代に洋風建築が建てられるようになってからです。まず、英国などからの輸入タイルが使われ、明治半ばから国産品が登場しました。明治・大正期のタイルは、敷瓦、貼瓦、化粧煉瓦などさまざまな名前で呼ばれていましたが、大正11年(1922)4月12日に「タイル」の名称に統一されました。今年は日本におけるタイル名称統一90周年にあたります。本コーナーではこれを記念してさまざまな種類のタイルを展示します。(酒井一光)

フロア / 7階 コーナー / 近代都市の建設
7階フロアマップ