1. ホーム
  2. 展示・イベント
  3. 特集展示
  4. 過去の特集展示
  5. 第72回特集展示「上方舞・山村流」

(H25.7.15更新)

第72回 特集展示

上方舞・山村流

◆ 平成23年 4月6日(水)~5月23日(月) ◆
毎週火曜日休館 (但し、5月3日は開館、5月6日は休館)
会場
8階 特集展示室
時間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
観覧料
常設展示観覧料でご覧いただけます
主催
大阪歴史博物館
協力
山村流

大阪歴史博物館では、平成23年4月6日(水)から5月23日(月)まで、8階特集展示室において、特集展示「上方舞・山村流」を開催します。

山村流は江戸時代に創始され、上方舞四流のひとつに数えられる大阪の舞踊の流派で、現在も芸能界や花柳界、一般家庭に門下を育成しています。流祖・初代山村友五郎やまむらともごろう(1781~1844)は役者出身で、大坂の歌舞伎で絶大な人気を誇った三代目中村歌右衛門なかむらうたえもん (1778~1838)と親交があり、歌舞伎舞踊の振付をおこないました。そのため、山村流は座敷舞ざしきまい地唄舞じうたまい)で知られた流儀ですが、初代友五郎からの歌舞伎舞踊も残っているのが特徴となっています。

友五郎の養子・養女は、それぞれ居住する地名にちなみ新町家しんまちけ九郎右衛門家くろうえもんけ島之内家しまのうちけとして山村の舞を伝え、その門弟の中には富田屋八千代とんだややちよ(1887~1924)や武原たけはらはん(1903~1998)等、数々の名手を輩出しました。戦時下の昭和17年(1942)、大阪の伝統芸能である山村舞の消逸を危惧した多くの大阪の知識人による尽力のもと、島之内家の末裔である若子わかこ(1869~1942)が三世宗家そうけを襲名し、現在の六世宗家へと続いています。

本展では、山村流の歴史、歌舞伎をはじめ他の芸能との関係などを、山村流宗家所蔵の資料を中心に紹介します。今回の展示が、すいな大阪文化の一端にふれていただく機会となれば幸いです。


期間中の関連行事

山村流舞の会

【日時】 4月 9日(土)、4月23日(土)、5月21日(土)
いずれも午後2時~4時 ※終演時間は予定です

〈お知らせとおわび〉
都合により開演時間を変更しております。謹んでおわび申し上げます。

【主催】 山村若、大阪歴史博物館
【会場】 大阪歴史博物館 4階 講堂 交通のご案内
【定員】 各回250名(先着順)
【参加費】 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です)
【参加方法】 午後1時より整理券を配布いたします
(会場受付で常設展示観覧券をご呈示ください)
開場は午後1時30分の予定です

※各回の詳細(予定)

4月 9日(土) 山村流小曲保存会 舞浚い会(担当:山村郁子)
出演:山村若 他
4月23日(土) 山村光一門「舞の会」(担当:山村光)
出演:山村若、山村光 他
5月21日(土) 山村流舞浚い会(担当:山村若)

展示解説

【日時】 平成23年4月10日(日)、5月8日(日)
いずれも午後2時から(所要約30分程度)
【講師】 澤井浩一(当館学芸員)
【会場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室内
【参加費】 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です)
【参加方法】 当日直接会場へお越し下さい

おもな展示資料

展示資料数:約60点
寿三番叟・浦島 中むら鶴助 国広画
寿三番叟ことぶきさんばそう・浦島 中むら鶴助 国広画

1枚 文政8年(1825) 山村流宗家蔵
三ツ面 安本亀八作
三ツ面 安本亀八やすもとかめはち

3面 山村流宗家蔵
山村流衣裳
山村流衣裳

1領 大正時代 本館蔵

主な展示資料

寿三番叟・浦島 中むら鶴助 国広画

(1)寿三番叟ことぶきさんばそう・浦島 中むら鶴助 国広画

1枚
文政8年(1825)
山村流宗家蔵

中村鶴助なかむらつるすけ(後の四代目歌右衛門、1798~1852)が、文政8年3月に道頓堀・かどの芝居で演じた「浦島」の図。「浦島」は鶴助の師匠である三代目中村歌右衛門が同年正月に演じた九変化舞踊のひとつが原型であるとされる。現在、山村流には二つの「浦島」が伝承され、ともに流派の歌舞伎舞踊として大事な舞とされている。
展示期間:4月6日~4月25日


三ツ面 安本亀八作

(2)三ツ面 安本亀八やすもとかめはち

3面 山村流宗家蔵

義太夫「仕丁しちょう」の舞に用いられる面。歌舞伎役者で、山村流の舞踊の名手であった初代市川右団次いちかわうだんじ斎入さいにゅう、1843~1916)の旧蔵品である。制作はいき人形師の安本亀八やすもとかめはちで、生々しい表現が特徴的である。「仕丁」は天保6年(1835)上演、初代山村友五郎振付「同計略花芳野山とばかりはなのよしのやま」に増補された劇中舞踊で、2002年に約40年ぶりに復活上演されている。


山村流衣裳

(3)山村流衣裳

1領
大正時代
本館蔵

意匠を画家の菅楯彦すがたてひこ(1878~1963)が手がけた豪華な山村流の舞台衣裳。楯彦の妻・美記(富田屋八千代とんだややちよ)が、二代目山村ともを襲名する妹弟子の豆奴に贈ったものである。裾の波に桐・楓・柏の丸文をあしらっており、観世水かんぜみずに花丸文をつける山村流の流儀扇に通じる意匠となっている。