1. ホーム
  2. 展示・イベント
  3. 特集展示
  4. 過去の特集展示
  5. 第79回特集展示「なにわの薬屋さん」

(H25.7.12更新)

第79回 特集展示

なにわの薬屋さん

◆ 平成24年 5月30日(水)~7月23日(月) ◆
毎週火曜日休館 
会場
8階 特集展示室
時間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
観覧料
常設展示観覧料でご覧いただけます
主催
大阪歴史博物館

大阪歴史博物館では、平成24年5月30日(水)から7月23日(月)まで、8階特集展示室で特集展示「なにわの薬屋さん」を開催します。

江戸時代以来、大阪は薬の町として知られています。それは、薬の原料となる薬種やくしゅを取り扱う商人が集まっていたことのほかに、薬種から人びとが服用する合薬あわせぐすりを製造・販売する合薬屋(薬種屋ともいう)もたくさん存在したからです。薬種を取り扱う商人については、船場の道修町どしょうまちにいた薬種中買仲間の文書(「道修町文書」)が残され、また彼らは明治になると西洋薬の製薬業に転換し、現在まで存続している企業も多いことから、その業態はよく知られているところです。一方、明治以降、西洋薬がもたらされると、合薬屋は次第に姿を消していったので、道修町の製薬会社ほどには、あまりよく知られていません。

近年当館では、合薬屋に関する資料の寄贈を受けました。これを機に、これまでの館蔵資料も含めて、江戸時代から明治時代にかけての大阪の薬屋に関する資料を展示して、かつて大阪の産業で重要な役割を果たした「薬屋さん」に対する理解を深めていただこうというものです。


期間中の関連行事

展示解説

【日時】 平成24年6月16日(土)、6月30日(土)
      7月 8日(日)、7月16日(月・祝)
いずれも午後2時から(所要約30分程度)
【講師】 八木滋(当館学芸員)
【会場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室内
【参加費】 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です)
【参加方法】 当日直接会場へお越し下さい

おもな展示資料

展示資料数:約30点
商人買物独案内
商人買物独案内しょうにんかいものひとりあんない

文政7年(1824) 本館蔵
ひぜん湯薬看板
ひぜん湯薬看板ひぜんゆぐすりかんばん

江戸時代 本館蔵(小山敏子氏寄贈)
一子相伝秘方口伝書
一子相伝秘方口伝書いっしそうでんひほうこうでんしょ

寛政8年(1796) 本館蔵(浮田胤子氏寄贈)

主な展示資料

商人買物独案内

(1)商人買物独案内しょうにんかいものひとりあんない

文政7年(1824) 本館蔵

江戸時代の大坂の商工業者の名鑑である。薬を製造・販売する合薬屋も「製薬之部」として約180軒も掲載されており、大坂市中にたくさんの合薬屋があり、多様な薬が製造・販売されていたことがわかる。凡例には、多種の薬屋を詳しく吟味して掲載した、と記されている。


ひぜん湯薬看板

(2)ひぜん湯薬看板ひぜんゆぐすりかんばん

江戸時代
本館蔵(小山敏子氏寄贈)

堺筋南久太郎町にあった合薬屋小山忠兵衛家の看板。小山忠兵衛家では、「ひぜん湯薬」という皮膚病(疥癬・湿疹など)に効く湯に入れる薬を製造・販売していた。この薬は大坂だけでなく全国にも販売されていた。


一子相伝秘方口伝書

(3)一子相伝秘方口伝書いっしそうでんひほうこうでんしょ

寛政8年(1796)
本館蔵(浮田胤子氏寄贈)

心斎橋筋安堂寺町通りにあった薬屋の浮田五龍圓うきたごりょうえんに伝わった文書で、薬の製法について記されている。当然のことがら薬の製法は企業秘密とされ、表紙には当家の相続人以外は見てはならない、とある。主力商品の「鎮火五龍圓」は「のぼせ」や解熱に効く薬として知られた。