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  5. 第78回特集展示「中村順平 建築芸術の探究」

(H25.7.12更新)

第78回 特集展示

中村順平 建築芸術の探究

◆ 平成24年 4月4日(水)~5月28日(月) ◆
毎週火曜日休館 
会場
8階 特集展示室
時間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
観覧料
常設展示観覧料でご覧いただけます
主催
大阪歴史博物館
後援
(社)大阪府建築士事務所協会
(社)大阪府建築士会
(社)日本建築家協会近畿支部
(社)日本建築学会近畿支部
(社)日本建築協会

大阪歴史博物館では、平成24年4月4日(水)から5月28日(月)まで、8階特集展示室において、特集展示「中村順平 建築芸術の探究」を開催いたします。

今から125年前の明治20年(1887)、大阪に生まれた中村順平は、フランスのエコール・デ・ボザールに学び、日本人初のフランス政府公認建築士(D.P.L.G.)となりました。彼が留学した大正時代後半、日本では、建築を芸術よりも工学として捉える機運が優勢でした。しかし、彼はボザールで学んだ建築論や絵画的な図面表現を日本に根付かせ、また弟子たちへの教育を通して、日本における建築芸術の確立に尽力しました。本展では、精緻を極めた設計図面や思考過程をたどるスケッチ、日本独自の建築美学を追求した著書『建築という芸術』の自筆原稿などを展示します。

当館では、平成19年(2007)にも特集展示「生誕120年 大阪が生んだ異才 建築家・中村順平」を開催し、彼の経歴と作品を紹介しましたが、ここ数年で図面のCAD化や建築の構造・コスト重視が一層進み、建築の美しさや芸術的表現への関心は薄れつつあります。今回は建築芸術の探究者としての中村順平に焦点をあて、その再評価を試みるものです。中村順平の作品を通して、芸術としての建築を再考する一助にしていただければ幸いです。


期間中の関連行事

展示解説

【日時】 平成24年4月21日(土)、5月5日(土・祝)
       5月12日(土)、5月26日(土)
いずれも午後2時から(所要約30分程度)
【講師】 酒井一光(当館学芸員)
【会場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室内
【参加費】 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です)
【参加方法】 当日直接会場へお越し下さい

おもな展示資料

展示資料数:約60点
塔のスケッチ
塔のスケッチ

大正10年(1921) 本館蔵
大東京市復興計画図
大東京市復興計画図

大正13年(1924) 本館蔵
『建築という芸術』第10章 自筆原稿

昭和31年(1956) 本館蔵

主な展示資料

塔のスケッチ

(1)塔のスケッチ

大正10年(1921) 本館蔵

エコール・デ・ボザール留学中の大正10年(1921)に制作したスケッチ。三つの塔が適度な均衡と余白をもって配され、筆致や細部の表現も優れ、当時の中村の実力がうかがえる作品。


大東京市復興計画図

(2)大東京市復興計画図

大正13年(1924)
本館蔵

大正12年(1923)関東大震災の報を受けた中村は翌年1月に帰国し、東京の都市復興計画図をわずか一週間で練り上げた。放射状街路による都市計画の様子は、パリの街並みを彷彿とさせる。本案は実現に至らなかったが、建築家による震災復興案として歴史的にも評価されている。


『建築という芸術』第10章 自筆原稿

(3)『建築という芸術』第10章 自筆原稿

昭和31年(1956)
本館蔵

中村順平が68歳を迎えた昭和30年(1955)8月から3年間、計35回にわたって雑誌『国際建築』に連載した際の自筆原稿。日本建築を題材にした中村の建築芸術論の集大成で、後に単行本化され多くの建築家や学生に読み継がれた。