第80回 特集展示
新発見!なにわの考古学2012
◆ 平成24年 7月25日(水)~10月22日(月) ◆
毎週火曜日休館
- 会場
- 8階 特集展示室
- 時間
- 9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
- 観覧料
- 常設展示観覧料でご覧いただけます
- 主催
- 大阪歴史博物館、大阪文化財研究所
大阪歴史博物館では、平成24年7月25日(水)から10月22日(月)まで、8階特集展示室において特集展示「新発見!なにわの考古学2012」を開催します。
この特集展示では、平成22・23年度に大阪文化財研究所が行った大阪市内の遺跡発掘調査の中から、古墳時代のガラス玉鋳型[難波宮下層遺跡]、難波宮跡の重圏文瓦[難波宮跡]、豊臣期の金箔押瓦[大坂城跡]、江戸時代の蔵屋敷で見つかった陶磁器類[中之島蔵屋敷跡・福島蔵屋敷跡]などの主要な成果を、約200点の出土資料と発掘現場の写真パネルでご紹介します。
また、これまでの大阪市内の発掘調査で見つかった江戸時代の土人形や土面子なども取り上げ、当時の風俗をよく示す土人形や、流行した土製玩具など約1,000点にのぼる豊富な出土資料をご覧いただきます。
『大阪の歴史を掘る2012』講演会
- 「平成23年度大阪市内の発掘調査」
- 寺井誠(当館学芸員)
- 「四天王寺伽藍の造営とその源流」
- 網伸也氏(財団法人 京都市埋蔵文化財研究所調査研究担当係長)
【日時】 |
8月25日(土) 午後1時30分~4時30分(午後1時より受付) |
【会場】 |
大阪歴史博物館 4階 講堂 |
【定員】 |
250名(当日先着順) |
【参加費】 |
500円 |
【参加方法】 |
当日直接会場にお越しください |
展示解説
【日時:担当】
- 第1回 7月29日(日):杉本厚典(当館学芸員)
- 第2回 8月 5日(日):市川創(大阪文化財研究所学芸員)
- 第3回 8月11日(土):谷崎仁美(大阪文化財研究所学芸員)
- 第4回 8月26日(日):杉本厚典(当館学芸員)
- いずれも午後2時30分より、約30分
【会場】 |
大阪歴史博物館 8階 特集展示室内 |
【参加費】 |
無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です) |
【参加方法】 |
当日直接会場へお越し下さい |
体験イベント「江戸時代の土面子の変わり消しゴムを作ろう」
【日時】 |
7月28日(土) 午前11時~午後4時 |
【定員】 |
100名、当日先着順(小・中学生は保護者同伴) |
【会場】 |
大阪歴史博物館 8階 特集展示室内 |
【担当】 |
当館学芸員 |
【参加費】 |
無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です) |
【参加方法】 |
当日直接会場へお越し下さい |
展示資料数:約1,200点
- 難波宮下層遺跡のガラス玉鋳型
中央区難波宮跡東方地域 古墳時代
- 大坂城の金箔瓦と集水枡
中央区大坂城跡 豊臣期および江戸時代
- 各藩蔵屋敷の構造とくらし
北区中之島蔵屋敷跡・佐賀藩蔵屋敷跡、福島区福島蔵屋敷跡
江戸時代
- 大坂の土製玩具
中央区大坂城跡・大坂城下町跡、北区中之島蔵屋敷跡他 江戸時代
主な展示資料
左2点はこれまでの調査で出土した鋳型
それ以外の鋳型は今回の調査で出土(右の棒状の2点は鋳型と共に出土した土製品)
(1)難波宮下層遺跡のガラス玉鋳型
中央区難波宮跡東方地域 古墳時代
難波宮跡東方地域の谷の中から古墳時代中期(5世紀)のガラス玉の鋳型が出土しました。粘土板に型となる多数の穴をあけ、これにガラスの粉を詰めて焼成し、一度に多数のガラス玉を製作するものです。これまで難波宮跡東部では5世紀から7世紀初頭までの時期の鋳型が出土しており、前期難波宮以前にこの一帯で長期にわたってガラス玉製作が行われていたことが明らかになりました。今回はこれまで出土したものもあわせて合計6点の鋳型を展示します。
大坂城跡山里丸で見つかった集水枡
(2)大坂城の金箔瓦と集水枡
中央区大坂城跡
豊臣期および江戸時代
大坂城跡山里丸の発掘調査では、豊臣期、徳川期、それぞれに重要な発見がありました。豊臣期については、金箔押瓦4点を展示します。金箔押瓦は限られた城郭にのみ使用が許された特別なもので、天下人・秀吉の金色に輝く大坂城をしのばせる貴重な資料です。江戸時代、徳川期の大坂城では、発掘で見つかった大規模な集水枡の写真パネルや戊辰戦争の際に焼けた瓦を展示します。江戸幕府が西国経営の要と位置づけた大坂城の地下構造の整備を具体的に示す重要な発見といえます。
中之島蔵屋敷跡(高松藩蔵屋敷)で
見つかった角筆(象牙製)
(3)各藩蔵屋敷の構造とくらし
北区中之島蔵屋敷跡・佐賀藩蔵屋敷跡、福島区福島蔵屋敷跡
江戸時代
堂島川の両岸では、高松藩や佐賀藩、人吉・臼杵藩の蔵屋敷が調査されました。高松藩蔵屋敷では、大きな礎石を並べた土蔵や、土管・石樋を埋設した暗渠などが見つかりました。土蔵の礎石は大量の栗石を詰めた基礎上に据えられ、中之島の砂地に建つ弱点を補強する構造になっています。各調査では国内外の高品質な陶磁器や理平焼、鍋島焼などの藩の銘品とともに、国元からの土師器や瓦、墨を使わず筆圧だけで文字を記す筆記具である角筆など、当時の暮らしぶりがうかがえる貴重な資料が多数見つかりました。
江戸時代の土製品
(4)大坂の土製玩具
中央区大坂城跡・大坂城下町跡、北区中之島蔵屋敷跡他 江戸時代
大坂城跡や大坂城下町跡、中之島蔵屋敷跡などの発掘調査では、江戸時代の土人形やままごと道具、箱庭道具、土面子、独楽などが見つかっています。これらの土製品の中で当時の風俗をよく示すものや珍しいものなど約1,000点を精選して展示します。