切嵌細工 きりばめざいく
(H25.10.11更新)
平成25年11月6日(水)~ 平成26年1月13日(月)予定
「切嵌細工」という言葉は、現在の私たちには馴染みの薄いものといえます。その言葉を聞いて想像のつく人は、和裁や手芸に相当の関心のある方かもしれません。簡単にいうと、切嵌細工というのは、布地の一部を切り抜いて、そこに別の布を嵌め込み、縫い合わせることで絵柄や文様をつくる技法です。この技法は、江戸時代には、陣羽織や火事装束などの背紋や文様をつくりだすのに使われていました。明治時代になってくると、切嵌細工は女学校などで和裁の教材として位置づけられるようになり、また昭和戦前期には「手芸」の一種として嗜まれることがあったようです。
博物館では、明治7年頃に生まれた堺の八星ツネ氏が、明治中期に制作した切嵌細工の作品をまとまって所蔵しており、例年、年末・年始のこの時期に、切嵌細工の作品を展示しています。この機会に是非、明治時代の女性が丹念に仕上げた手芸品のすばらしさをご覧いただければ幸いです。時代を超えて、心に響くものがあると思います。(民俗担当・伊藤廣之)
フロア / 7階 | コーナー / 美術工芸の諸相 |