戦前の8mmフィルム「春の京都・奈良」
(H26.2.27更新)
平成26年3月5日(水)~5月12日(月)予定
当館には、寄贈を受けた古い動画のフィルムが所蔵されています。そのなかには、素材に起因する劣化現象が生じているものがあり、そのまま放置するとフィルムがぼろぼろになり映像が見られなくなってしまいます。近年、古いフィルムを新しいフィルムに複製し、さらにデジタル化して、ご覧いただけるような修復作業を進めています。
この映像は、昭和初期に大阪市内から兵庫県西宮市に転居した藤井健次郎氏が、昭和12年(1937)頃、何度かに分けて撮影した8mmフィルムです。前半は当時貴重なカラーフィルム、後半は白黒フィルムで撮られています。
映像は、まず春の京都から始まります。清水寺の桜や、高台寺のそばにあった六角形の塔・忠魂堂、嵐山の渡月橋などが色鮮やかに映し出されます。場面は転じて、中国大陸を訪れたイタリアのムッソリーニが登場し、軍楽隊が進んでいきます。その後は、奈良・吉野の花盛りの場面で、金峯山寺などが現れ、さらに京都・仁和寺の御室桜の花見風景に移ります。後半の白黒映像は、三重・赤目四十八滝、兵庫・闘竜灘(加古川)、奈良公園の3場面ですが、画像が著しく劣化しています。
近代の行楽の様子が色鮮やかに再現できる貴重な映像です。この機会にぜひご覧ください。
(船越)
フロア / 7階 | コーナー / 映像コーナー |