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切嵌細工(きりばめざいく)

(H26.11.17更新)

11月19日(水)~12月23日(火・祝)(予定)

切嵌細工は現在、あまり馴染みの無いものとなっていますが、和裁や手芸に関心のある方はご存知かもしれません。簡単にいうと、布地の一部を切り抜いて、そこに別の布を嵌め込み、縫い合わせることによって絵柄や文様をつくる手芸技法のひとつです。この技法は、江戸時代には、陣羽織や火事装束などの背紋や文様をつくりだすのに使われていました。明治時代には、切嵌細工は女学校などで和裁の教材として位置づけられるようになり、また昭和戦前期には「手芸」の一種として嗜まれていました。

博物館では、明治7年頃に生まれた堺の八星ツネ氏が、明治中期に制作した切嵌細工の作品をまとまって所蔵しており、定期的に切嵌細工の作品を展示しています。この機会に是非、明治時代の女性が丹念に仕上げた手芸のすばらしさをご覧いただければ幸いです。きっと皆様の心に響くものがあると思います。

(民俗担当・伊藤廣之)

手提小筥(てさげこばこ)、島台型小筥(しまだいがたこばこ)、扇形小筥(おおぎがたこばこ) 画像

切嵌細工(きりばめざいく)

手提小筥(てさげこばこ)

島台型小筥(しまだいがたこばこ)

扇形小筥(おおぎがたこばこ)

明治時代 堺市 八星ツネ氏制作 本館蔵
切嵌細工の手法で作られた小筥類です。手提小筥は猩々を図柄としています。島台型の小筥は尉と姥の人形を収納できるようになっています。扇形小筥は小物入れとして作られています。それぞれ細かな手仕事によって仕上げられています。
手提袋(てさげぶくろ) 画像

切嵌細工(きりばめざいく)

手提袋(てさげぶくろ)

明治時代 堺市 八星ツネ氏制作 本館蔵
切嵌細工の手法で牡丹と木蓮を作り、それを縮緬の手提袋の表と裏に縫い付けています。女性の美しさと清楚さを、二つの花によって表した作品といえます。
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