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連続講座 朝鮮半島と日本列島-その交流の歴史をたどる
(H28.5.18更新)

概要

本館および大阪市立中央図書館が所蔵する 間重富 はざましげとみ 関係資料一括(741点、江戸時代後期)を、重要文化財に指定することについて、文部科学大臣への答申がありました(内訳:本館蔵654点、大阪市立中央図書館蔵87点)。
 これら間重富関係資料は、江戸幕府の改暦事業に従事した大坂の町人天文学者・間重富(註1)に関わる天文観測関係資料です。間重富は、西洋天文学の理論で測量結果を検証することにより、当時の天文暦学の発展に多大な貢献をしました。本資料群は、天体の測量記録を中心に、著述稿本をはじめとする文書、典籍、観測機器、地図・絵図等で構成され、わが国の天文暦学研究上、学術的価値の高い資料群です。
 なお、今回指定される資料の一部は、「間重富・重新(註2)父子天文気象観測器具記録等」の名称で昭和45年に大阪府指定有形文化財に指定されています。

(註1)間 重富(はざま しげとみ)
宝暦6(1756)年から文化13(1816)年。大坂長堀の質屋に生まれる。家業のかたわら天文暦学を志した。寛政7(1787)年から幕府に暦作御用を命ぜられ、改暦事業の中心的役割を果たした。天文振子時計・子午線観測装置などの改良・製作も行っている。

(註2)間 重新(はざま しげよし)
天明6(1786)年から天保9(1838)年。重富の長男で、13歳ごろから父の天文観測を手伝い、文化6(1809)年に幕府の観測御用を命じられた。約40年間にわたり天文観測を行い、父同様、観測機器の改良・製作にも力を入れた。

代表的な資料の紹介(本館所蔵分)

日食測記

文化11年 1枚 本館蔵羽間文庫資料

日食測記

文化11年(1814)の6月1日に起きた日食を大坂で観測したもの。間重富・重新父子の手になる。このような観測記は本資料群の中核を占め、対象は日月食をはじめ、天王星・彗星などにも及ぶ。

反射式望遠鏡

江戸時代後期 1基 本館羽間文庫資料

反射式望遠鏡

幕府の天体観測に携わった間重新が用いたイギリス製の天体観測用望遠鏡。間重新は、趣味で行っていた天文学の質の高さが評価され、幕府の寛政の改暦に携わった大坂の町人学者・間重富の子で、この望遠鏡は重新が幕府から貸し下げられて天体観測に用いたもの。当時の最先端の観測器具であった。