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海峡を渡る布―初公開 山本發次郎染織コレクション ふたつのキセキ―
(H27.7.1更新)
資料展示

インド更紗(いんどさらさ)

大阪新美術館建設準備室蔵 17~18世紀

インド更紗

221.0㎝×135.5㎝

上部に見えるアーチはムハンマドが信者たちに神の啓示を与えた場所を象徴するミヒラーブ(聖龕・せいがん)を模すことから、ムガル朝(1526~1858)のインドで製作された作品であろうと考えられる。中東向けの製作であった可能性もある。手描き更紗(てがきさらさ)と木版更紗(もくはんさらさ)を併用し、生命樹(せいめいのき)と花鳥図をあらわす。もともとは東洋棉花株式会社(とうようめんかかぶしきがいしゃ)に勤務しインド駐在も経験した新宮春三(しんぐうしゅんぞう)氏が大正から昭和戦前期頃に蒐集した作品であったことが確認される。山本發次郎は昭和14年(1939)頃に蒐集のパートナーであった山尾薫明を介して新宮氏から多くの作品を購入し、自身の染織コレクションに加えたという。

シャム更紗(しゃむさらさ)

大阪新美術館建設準備室蔵 18世紀

拡大写真


>シャム更紗

>シャム更紗
220.0㎝×119.0㎝

シャム(かつてのタイ王国の呼称)向けにインドで製作された精緻な文様を施した更紗は「シャム更紗」と通称される。仏教国であるタイからの注文を受けて、仏像、ガルーダ、龍などの多彩な文様を配している。壁掛け、敷物などに用いられたものであろう。

インドネシアジャワ島緯絣(いんどねしあじゃわとうよこがすり)

大阪新美術館建設準備室蔵 17~19世紀

インドネシアジャワ島緯絣

275.0㎝×94.0㎝

「絣(かすり)」は布を織る前に、経糸(たていと)や緯糸(よこいと)を模様にあわせて染め分けておき、 織り上がったときに模様があらわれるようにする染織技法である。本作品は緯糸に絣糸(かすりいと)を用いた緯絣(よこがすり)で、19世紀にジャワ島中部または東部で製作されたと考えられる。同様の緯絣は、19世紀~20世紀初頭にはジャワの宮廷において、腰巻きとして着用されていた。しかし、ジャワ島では蝋染め(ろうぞめ)であるバティック(batik)の製作が隆盛し、本作品のような精緻な絹の緯絣の製作は20世紀初頭までに衰退していたため、現在では希少な染織資料である。

インドネシア印金バティック(いんどねしあいんきんばてぃっく)

大阪新美術館建設準備室蔵 20世紀

インドネシア印金バティック

176.0㎝×46.5㎝

ベースとなる生地はインドネシアのジャワ島北岸地域で製作された幾何学的模様の藍染めバティックである。そのバティックの上にバリ島で同島独自の模様を印金であらわしたもの。バリ島において儀礼の際に寺院や祭壇などの装飾布として用いられたと考えられる。

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