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(H28.6.3更新)

第107回 特集展示

蔵出し名品展2016

◆平成28年 8月3日(水)~ 10月3日(月)◆

毎週火曜日休館

会場 8階 特集展示室
時間 9:30~17:00
※入館は閉館30分前まで
観覧料 常設展示観覧料でご覧いただけます
主催 大阪歴史博物館

大阪歴史博物館では、平成28年8月3日(水)から10月3日(月)まで、8階特集展示室において、「蔵出し名品展2016」を開催します。

当館では前身の大阪市立博物館の時代から、大阪の歴史と文化にかかわる考古・歴史・美術・民俗・芸能・建築など幅広い分野にわたる約10万点の館蔵品を収集してきました。その中には日本の歴史・文化全般にかかわる貴重な史資料も含まれています。今回はそのうち普段あまり展示する機会のない、さまざまな分野の優品を選りすぐって展観いたします。ぜひこの機会にご覧ください。

歴史分野からは「豊臣秀吉朱印状(しゅいんじょう)」をはじめとして「徳川家康朱印状」、「伊達政宗起請文(きしょうもん)」など戦国大名の書状を、考古分野からは銅製鍍銀経筒(どうせいとぎんきょうづつ)(伝金峰山経塚(きんぶせんきょうづか)出土)や陶製金箔押経筒(伝四王子山経塚(しおうじやまきょうづか)出土)や瓦経(がきょう)など中世の信仰を示す資料群、美術分野からは6曲4隻の「大阪城四季図屏風」(直原玉青(じきはらぎょくせい)筆)のうち夏図と秋図や、中国青磁酒会壺(せいじしゅかいこ)や尾形乾山(おがたけんざん)作の絵替角皿(えがわりかくざら)5客など、約40件を展示します。


期間中の関連行事

学芸員による展示解説
【日 時】 平成28年8月20日(土)、9月3日(土)、9月10日(土)
各回、午後2時から約30分間
【会 場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室
【講 師】 当館学芸員
【参加費】 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です)
【参加方法】 当日直接会場へお越し下さい。

※イベントの内容は都合により変更される場合があります。ご了承ください。


主な展示資料

展示資料数:約40件
豊臣秀吉朱印状
豊臣秀吉朱印状(しゅいんじょう)
天正13年 (1585)4月2日付

 羽柴(はしば)(豊臣)秀吉が、京都吉田神社の神官で神道家だった吉田兼見(よしだかねみ)(1535~1610)に宛てた朱印状。秀吉は天正13年3月21日、和泉国南部・紀伊国の根来寺・雑賀勢を攻略すべく出馬し、一ヵ月ほどで平定した。本状はその在陣中に秀吉が送ったもので、正親町天皇(おおぎまちてんのう)の指示をうけ吉田兼見が祈祷をおこなったこと、和泉・紀州がまもなく平定される見込みであることが記されている。

豊臣秀吉朱印状
銅製鍍銀経筒(どうせいとぎんきょうづつ)
(伝金峰山経塚(きんぷせんきょうづか)出土)
平安時代後期 前田コレクション・前田善衛氏寄贈

 宝珠(ほうじゅ)形の鈕(ちゅう)が付いた円筒形の経筒。蓋外面には鈕(ちゅう)を中心とした同心円の装飾が鋳出されているが蓋と身は錆のため離れなくなっている。鍍銀もほとんどが剝落している。出土伝来にある「金峰山(きんぷせん)経塚」は、藤原道長(ふじわらみちなが)が寛弘(かんこう)4年(1007)に造営した経塚のこととみなせるが、残念ながら同経塚から出土したことを示す積極的な根拠は見いだせない。

大阪城四季図のうち夏 直原玉青筆
大阪城四季図屏風のうち夏図 直原玉青(じきはらぎょくせい)筆
6曲4隻のうち 紙本着色 昭和時代 直原正氏寄贈

 大阪城外堀の南から北方向の景色を描く。画面に向かって左には大手門と千貫櫓(せんがんやぐら)、右には天守閣や六番櫓が描かれる。上部には咲き誇る藤が描かれ、初夏の光景を描くと知られる。画面の中央手前に藤の幹と藤棚の柱を大きく描き込むことにより、中ほどから向こうに広がる大阪城の広大さが対比的に知られる。
 作者の直原玉青(じきはらぎょくせい)(1904~2005)は、岡山県に生まれ、幼少期を淡路島で過ごしたのち、大阪美術学校において矢野橋村(やのきょうそん)らに学んだ。帝国美術展(帝展)や日本美術展覧会(日展)、日本南画院展への出品や入選を重ねた。画業とともに、黄檗宗(おうばくしゅう)の僧侶としては寺院の再興に努め、俳句は高浜虚子(たかはまきょし)に学んだ。