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(H28.4.15更新)

第106回 特集展示

郷土建築へのまなざしと
日本建築協会

◆平成28年6月15日(水)~ 8月1日(月)◆

毎週火曜日休館

会場 8階 特集展示室
時間 9:30~17:00
※入館は閉館30分前まで
観覧料 常設展示観覧料でご覧いただけます
主催 大阪歴史博物館
後援 (一社)日本建築協会

大阪歴史博物館では、平成28年6月15日(水)から8月1日(月)まで、8階特集展示室において、特集展示「郷土建築へのまなざしと日本建築協会」を開催します。

大正後期から昭和初期にかけて、大阪では道路の拡幅や橋の架け替え、建築の不燃化・高層化が進みました。これらの動きには、大正6年(1917)に大阪で建築や都市計画の専門家らが設立した日本建築協会が大きな役割を果たしました。こうした開発は同時に、歴史的建造物の建て替えや、都市景観の急激な変化をもたらしました。当時の人びとは都市化の中で失われゆく伝統や文化に危機感を抱き、郷土に対する関心が高まりました。建築の分野でも、建て替えられつつあった江戸時代以来の古い町家や明治初年の洋風建築などを「郷土建築」と呼び、それらの保存を提唱し、記録する動きが日本建築協会会誌『建築と社会』を舞台に展開されました。本展覧会では、大正、昭和の都市開発とその陰で姿を消そうとする「郷土建築」へのまなざしを、残された記録やスケッチなどからたどります。


期間中の関連行事

シンポジウム「大阪の建築 100年をふりかえる」
前半は、橋寺知子氏による近代大阪の建築の歩み、河田克博氏による都市・建築比較の観点から近代名古屋の建築の歩みに関する講演、後半は関西建築界の歴史に造詣の深い坂本勝比古氏を交えて座談会形式でお話をうかがいます。
【日 時】 平成28年7月9日(土)
午後1時30分から4時(受付は午後1時)
【会 場】 大阪歴史博物館 4階 講堂
【出 演】 河田克博氏(名古屋工業大学教授)
坂本勝比古氏(神戸芸術工科大学名誉教授)
橋寺知子氏(関西大学准教授)
【司 会】 酒井一光(当館学芸員)
【定 員】 250名(当日先着順)
【参加費】 500円
※「キャンパスメンバーズ」会員校(大阪市立大学、大阪大学、大阪府教育センター附属高等学校)の方は、証明証提示により無料で参加できます。
【参加方法】 当日直接会場へお越し下さい。
学芸員による展示解説
【日 時】 平成28年6月18日(土)、7月16日(土)
各回、午後2時から約30分間
【会 場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室
【講 師】 当館学芸員
【参加費】 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です)
【参加方法】 当日直接会場へお越し下さい。

※イベントの内容は都合により変更される場合があります。ご了承ください。


主な展示資料

展示資料数:約40点
船場小学校の図 西清手
船場小学校の図 西清手(にし きよて)
昭和初期 本館蔵(酒野晶子氏寄贈)

大正後期から昭和初期にかけて、大阪市内の小学校校舎は木造や煉瓦造(れんがぞう)から鉄筋コンクリート造への建て替えが進んだ。本作品は、船場小学校が大正12年(1923)に大阪で最初の鉄筋コンクリート造小学校校舎を建設した後、明治36年(1903)に建てられた古い煉瓦造の校舎との対比を抒情的に描いたもの。

造幣局古図面(写)より泉布観
造幣局古図面(写)より泉布観(せんぷかん)立面図
昭和6年(1931)頃 本館蔵(吉田高子氏寄贈)

 昭和初期の造幣局改築にあたり、造幣局が所蔵する明治初年の古図面を筆写したもの。当時、明治初期の洋風建築に対する関心の高まりを示すとともに、造幣局応接所であった泉布観の当初の姿を知る上でも貴重な図面である。本図は後に『建築と社会』昭和7年8月号の「郷土建築」特集号にも掲載された。

靭下ノ橋よりスケッチ
靭下ノ橋(うつぼしものはし)よりスケッチ 本間乙彦
昭和6年(1931) 本館蔵(植松清志氏寄贈)

 日本建築協会会誌『建築と社会』で「郷土建築」特集を組んだ建築家・本間乙彦による大阪市内の風景の鉛筆スケッチ画。本間は、今和次郎(こん わじろう)らの民家研究に影響を受け、建築設計や雑誌編集の傍ら、郷土建築や民家の研究にも熱心に取り組んだ。本スケッチは、海部堀川(かいふほりかわ)に架かる下ノ橋より、旧大阪府庁舎のドーム屋根を見上げたところである。