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(H29.2.27更新)

第112回 特集展示

重要文化財指定記念
なにわの町人天文学者・間重富

◆平成29年4月26日(水)~ 6月19日(月)◆

火曜日休館
※5月2日(火)は開館

会場 8階 特集展示室
時間 9:30~17:00
会期中の金曜日は午後8時まで開館
(ただし、6月16日を除く)
※入館は閉館30分前まで
観覧料 常設展示観覧料でご覧いただけます
主催 大阪歴史博物館

大阪歴史博物館では、平成29年4月26日(水)から6月19日(月)まで、8階特集展示室において、特集展示「重要文化財指定記念 なにわの町人天文学者・間重富」を開催します。

間重富(はざましげとみ)(1756-1816)は、大坂で家業の質屋を営むかたわら、江戸幕府の御用測量をつとめた町人天文学者として知られています。大阪歴史博物館では、間家の後継に当たる羽間平安(はざまへいあん)氏から間重富に関する資料(羽間文庫)の寄贈を受け、コレクションの維持・公開につとめてきました。

この資料群の一部については、天文・暦学史上の価値から大阪府有形文化財の指定を受けていましたが、平成28年に「間重富関係資料」(約740点、江戸時代後期、大阪市立中央図書館所蔵分を含む)として、新たに国の重要文化財に指定されました。

本展では、重要文化財指定を受けた資料を中心に、間重富と間家の足跡をたどる品々約30点を公開します。この機会に、なにわの町人学者の活躍を通して、江戸時代の大坂で培われた高度な科学技術・知識に触れていただければ幸いです。

期間中の関連行事

展示解説
【日 時】 平成29年6月4日(日)
午後2時から30分程度
【会 場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室
【講 師】 木土博成(大阪歴史博物館 学芸員)
【参加費】 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です)
【参加方法】 当日直接会場にお越し下さい

※イベントの内容は都合により変更される場合があります。ご了承ください。


主な展示資料

展示資料数:約30点
重要文化財 覚
重要文化財 覚(測量、天体観測につき)
寛政10年(1798)1月 本館蔵(羽間平安氏寄贈)

 江戸幕府天文方(てんもんかた)が間重富に対し、大坂での天文観測を命じた指令書です。寛政の改暦に功績のあった重富に対し、天文方は新たに日月食の観測など、五箇条にわたる御用を命じました。この時の天文方には、重富の盟友・高橋至時(よしとき)も名を連ねています。

重要文化財 蝦夷地・カラフト地・千島列島図
重要文化財 蝦夷地・カラフト地・千島列島図
江戸時代後期 本館蔵(羽間平安氏寄贈)

 現在の北海道や樺太(からふと)、および択捉(えとろふ)島などを含む千島列島を描いた地図です。北海道が扁平に描かれるなど、正確性を欠く面はありますが、千島列島の島名が詳述されており、文政期頃に流布した民間図を写したものと考えられます。間家には、ロシアの首都を描いた「魯西亜新都ペテルブルグ之図」も伝わっており、同家の北方への関心が高かったことをうかがわせます。

重要文化財 屈折式望遠鏡
重要文化財 屈折式望遠鏡
19世紀 本館蔵(羽間平安氏寄贈)

 この望遠鏡は、文政6年(1823)にオランダから幕府に献上され、後に間家に貸し下げられました。アイピースを交換することにより、地上・天体の双方に使用できます。筒にJan Marten Kleman (1759 -1845)の銘があり、同人物が製作した同型の望遠鏡がオランダ・アメリカなどに現存します。