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鏨の華―光村コレクションの刀装具―
(H29.11.1更新)
資料展示

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粟穂図大小揃金具(あわほずだいしょうそろいかなぐ) 荒木東明(あらきとうめい)

 江戸時代(19世紀) 光村利藻旧蔵  個人蔵

粟穂図大小揃金具 荒木東明 作

荒木東明(1817~1870)は、たわわに実る粟穂の粒を表す彫金方法を考案したことで名高い、幕末の京金工です。東明は多数の粟穂の作品を残していますが、この作品は赤銅地(しゃくどうじ)の漆黒に金の粟穂が鮮やかに映える、東明を代表する傑作です。

刀 初代月山貞一(がっさんさだかず)

明治38年(1905) 光村利藻旧蔵 根津美術館蔵

刀 初代月山貞一 作

阪神間を活動拠点とした光村は、地元大阪の刀工、月山貞一(1836~1918)を引き立て、多くの作品を依頼しました。この刀は日露戦争で旅順が陥落した際の記念の刀として光村から注文を受けて製作したものです。光村の好みだったのか、濃密で華やかな刀身彫刻が表裏に施されています。

重要文化財 聖衆来迎図大小揃金具(しょうじゅらいごうずだいしょうそろいかなぐ)
後藤一乗(ごとういちじょう)

文政5~8年(1822~1825) 個人蔵

重要文化財 聖衆来迎図大小揃金具 後藤一乗 作

40年ぶりの一般公開となる京金工・後藤一乗(1791~1876)の代表作品で、赤く発色する銅地に金の菩薩を配した鮮やかな刀装具です。近江商人を出自とする京都の豪商・中井武成の注文で作られ、明治時代にも同家にありましたが、光村は自身が刊行する豪華本『鏨廼花』の第1巻の巻頭を飾る作品にこの作品を選びました。自らのコレクションよりも他家の名品の掲載を優先するところに、光村の見識が表れています。

波葦蒔絵合口拵(なみあしまきえあいくちごしらえ)
加納夏雄(かのうなつお)・柴田是真(しばたぜしん)合作

江戸時代(19世紀) 光村利藻旧蔵  根津美術館蔵

波葦蒔絵合口拵 加納夏雄・柴田是真 合作

柄(つか)を砂浜、鞘(さや)を海に見立て、目貫(めぬき)で岩場にひそむ蟹を表し、青海波塗り(せいがいはぬり)で海原を表した拵。幕末明治の金工・加納夏雄(1828~1898)と漆工・柴田是真(1807~1891)の両雄による贅沢な合作です。

呂洞賓図小柄(りょどうひんずこづか) 塚田秀鏡(つかだしゅうきょう)

明治30年代 光村利藻旧蔵 根津美術館蔵

呂洞賓図小柄 塚田秀鏡 作

銘に「應光村利藻君之需 眞雄斎秀鏡(金印)」とあり、光村の注文により塚田秀鏡(1848~1918)が製作した品。光村の注文作には名画に依拠した物が多く、本作品も室町時代の水墨画「呂洞賓図(雪村(せっそん)筆)」を金属で再現させた意欲作です。姿形や構図は雪村画に忠実ですが、男の顔を赤らめるのは作者秀鏡の創意でしょう。

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