1. ホーム
  2. 展示・イベント
  3. 特集展示
  4. 第119回特集展示「天保の光と陰」

(H30.4.27更新)

第119回 特集展示

天保の光と陰

◆ 平成30年6月27日(水)~ 8月20日(月)◆

火曜日休館(ただし、8月14日(火)は開館)

会場 8階 特集展示室(常設展示場内)
時間 午前9時30分~午後5時
ただし、8月3日・10日・17日
(いずれも金曜日)は午後8時まで開館
※入館は閉館30分前まで
観覧料 常設展示観覧料でご覧いただけます
主催 大阪歴史博物館

大阪歴史博物館では、平成30年6月27日(水)から8月20日(月)まで、8階特集展示室において、特集展示「天保の光と陰」を開催します。

江戸時代も終わりにさしかかった天保期(1830~44)は、老中・水野忠邦ただくにが主導する幕政改革が進められ、諸藩においても財政再建などの藩政改革が推し進められた時期にあたります。薩摩藩は大坂で、借銀しゃくぎんの「踏み倒し」に近い大胆な改革を行い、のちに雄藩として台頭する条件を整備していきました。一方、天災や飢饉が相ついだのも天保期の特徴で、救民を訴え、大坂町奉行所の与力・大塩平八郎(1793~1837)らが蜂起した事件は、のちの倒幕の遠因になったともいわれます。

本展示では、既存の権威が失墜を見せはじめるとともに、時代を動かすあらたな動力が芽生えていった時期として天保期をとらえ、天保という時代が持った光と陰の両面に注目します。明治維新を歴史的な文脈で理解するためにも、起点となった天保期のダイナミズムを感じていただければ幸いです。


主な展示資料

展示資料数:約25点
犬の霊ふしぎの次第 天保10年(1839)7月 本館蔵
犬の霊ふしぎの次第
天保10年(1839)7月 本館蔵
 天保期には、混乱した世相を反映したのでしょうか、様々な怪奇現象が発生したと伝わっています。犬を殺したことにより、みずから犬顔になってしまったという男性の話もその一つで、大坂にあらわれた犬男は、おおいに世間を賑わせました。この刷り物は、そのときのてん末を記したものです。
薩摩藩天保御仕法一件(さつまはんてんぽうごしほういっけん) 天保13年(1842) 本館蔵
さつはんてんぽうほういっけん
天保13年(1842) 本館蔵
 大坂に膨大な借銀を抱えていた薩摩藩は、天保期に大胆な改革を行いました。これまでの借銀証文を取り戻し、あらたに元本のみを250年賦で返済することにしたのです。このような踏み倒しに近い強硬手段に対し、豪商・千草屋がしぶしぶ応じた様子が記されています。

大塩平八郎肖像画 菊池容斎肉筆画写 本館蔵
大塩平八郎肖像画
菊池容斎肉筆画写 本館蔵

 大塩平八郎(1793~1837)の肖像画として良く知られたものです。大坂町奉行の与力の家に生まれた大塩は、ついに天保8年(1837)武装蜂起しました。世の中をただすためには、手段を問わないというその手法は、陽明ようめいがくの強い影響を受けています。かの西郷隆盛(1827~1877)は島流しにあった際、ひそかに大塩の著作『洗心せんしん洞箚記どうさっき』を持ち込んだと伝わっています。


関連行事

学芸員による展示解説
【日 時】 平成30年7月1日(日) 午後2時から30分程度
【会 場】 8階 特集展示室
【講 師】 木土博成(大阪歴史博物館 学芸員)
【参加費】 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です)
【参加方法】 当日直接会場にお越しください

関連講座「天保期の薩摩藩」
【日 時】 平成30年8月19日(日) 午後2時~午後4時
(受付は午後1時30分から)
【会 場】 4階 講堂
【講 師】 崎山健文氏(鹿児島県歴史資料センター黎明館 学芸専門員)      「薩摩藩の天保改革と島津斉宣・斉興」
木土博成(大阪歴史博物館 学芸員)
     「天保期の琉球使節」
【参加費】

200円(資料代)
※常設展・特別展「西郷どん」の入館券・半券では入場できません

【定員】 250名(当日先着順)

※イベントの内容は都合により変更される場合があります。ご了承ください。