第128回 特集展示
押絵「西国三十三所観音霊験記」と生人形
◆令和2年1月8日(水)~ 3月2日(月)◆
※ 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、
2月29日(土)~3月17日(火)まで臨時休館いたします。
火曜日休館 ※ただし2月11日(火・祝)開館、12日(水)休館
会場 | 8階 特集展示室 | 時間 | 9:30~17:00 ただし、2月28日(金)は午後8時まで開館 ※入館は閉館30分前まで |
観覧料 | 常設展示観覧料でご覧いただけます |
主催 | 大阪歴史博物館、 NPOくまもと文化財プロジェクト |
後援 | 熊本県教育委員会 |
特別協力 | 益城町教育委員会 |
協力 | 日本画工房 浮島館 |
※ 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、2月29日(土)~3月17日(火)まで臨時休館いたします。誠に申し訳ございませんが、何卒ご了承ください。
大阪歴史博物館では、令和2年1月8日(水)から3月2日(月)まで、8階特集展示室において、特集展示「押絵「西国三十三所観音霊験記」と生人形」を開催します。
熊本出身の生人形師、松本喜三郎(まつもときさぶろう)の代表作「西国三十三所観音霊験記」は明治時代に東京の浅草、大阪の千日前などで見世物興行され、まるで生きているような人形が登場する各観音霊場の説話の場面展示で、大いに人気を博しました。押絵「西国三十三所観音霊験記」は、その生人形の意匠をもとに、明治42年(1909)~大正2年(1913)にかけて制作されました。制作には熊本の3人の女性が関わり、完成した作品は約20年にわたり大阪を含む全国各地の寺院、学校、百貨店等を巡り展示公開されました。
昭和28年(1953)、作品は熊本市内の観音堂に奉納されましたが、時代とともに傷みが激しくなり、平成26年度に文化財として受け入れた熊本県益城町が修復事業を開始します。平成28年(2016)4月の熊本地震では、修復中の押絵作品は被害の最も激しい地域にありながら、奇跡的に無傷で救出され、修復完成の後、再び公開されるようになりました。
本展では、益城町教育委員会所蔵の押絵「西国三十三所観音霊験記」を一堂に公開するとともに押絵作品の下絵、当館所蔵の生人形池之坊などの関係資料を合わせて展示します。震災を経験し甦った文化財を通じて、あらためて災害と文化財について振り返る機会とします。
※NPOくまもと文化財プロジェクトは、熊本の絵画文化財の保存、及び日本古来の絵画技法の継承と技術向上を目的とし、神社の大絵馬等の古典絵画の保存支援活動や市民の手による復元模写、展示企画等を通した文化芸術振興を行うNPO法人です。
主な展示資料
展示資料数:約40件 (会期中、一部展示替えをいたします。) |
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押絵は、人物などの下絵に沿って台紙を切り抜き、綿で立体感を出し、色や柄を合わせた布で包み、板や厚紙に貼り付け組み合わせたものです。「西国三十三所観音霊験記」は、押絵を深浦春、人物・背景の下絵を小川マス、背景を日本画家の中島千壽という3人の熊本の女性が、明治42年(1909)~大正2年(1913)の5年をかけて制作しました。本図は、醍醐寺開山の聖宝(しょうぼう)(832~909)が上醍醐の准胝堂(じゅんていどう)を開くに至る説話に取材したもので、役行者(えんのぎょうじゃ)の大峰山入りを阻止した大蛇を、聖宝が大鉞(おおまさかり)で退治する場面です。 |
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生け花発祥の地とされ、華道家元の池坊が住職を務める京都の六角堂(頂法寺)にまつわる説話に取材した作品です。稚児姿で現れた本尊の如意輪観音から、池坊が生け花の法を伝授され、これが生け花の始まりであるとされる場面です。人物と生け花、桶の押絵が背景画に貼り付けられています。 |
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熊本出身の生人形師、松本喜三郎の一世一代の大作「西国三十三所観音霊験記」十八番六角堂に用いられた池之坊の人形の頭部と手。東京浅草で明治4年(1871)、大阪では千日前で明治12年(1879)に初興行され、人気を博しました。この興行の人形はほとんどが海外に流出したと考えられていましたが、平成12年(2000)に大阪市立博物館(現・大阪歴史博物館)の調査で高槻市内の民家から発見され、寄贈されました。 |
関連行事
展示解説 | |
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【日 時】 | 令和2年1月11日(土)、2月9日(日) |
【解 説】 | 澤井浩一(当館学芸員) |
【会 場】 | 8階 特集展示室 |
【参加費】 | 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です) |
【参加方法】 | 当日直接会場にお越し下さい |
※イベントの内容は都合により変更される場合があります。ご了承ください。