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大阪月山派の展開

(2019.10.14更新)

令和元年10月2日~11月25日(予定)

大阪月山派四代目で人間国宝の月山貞一(二代)と同五代目で奈良県無形文化財の月山貞利との親子競演。ともに古典に範を求めた作である点、ともに直刃である点、ともに反りのない姿である点など、共通点も多い2作品です。親子でもあり師弟でもある両者の代表作をこの機会にぜひご鑑賞下さい。


槍 日本号写し

昭和41年 月山貞一作 当館蔵(濱本喜代子氏寄贈)
槍 日本号写し
撮像:中村慧

月山貞一(1907~1995)は、大阪・鎗屋町生まれの刀工。父祖の代から続く大阪月山派の四代目で、存命中には人間国宝にも指定された。この作品は、古くから天下の名槍として知られた黒田家伝来の「日本号」を正確に写した大作。精緻に鍛えられた地鉄に、直刃を焼き、樋の中には倶利伽羅龍を力強く彫る。新作名刀展初出品ながら最高賞を受賞した、同氏の代表作である。

直刀 銘 大和住月山貞利謹作/平成寿五年三月吉祥日

平成15年 月山貞利作 当館蔵(月山貞利氏寄贈)
直刀 銘 大和住月山貞利謹作/平成寿五年三月吉祥日

月山貞利(1946~)は、月山貞一(二代)の子。大阪月山派の五代目で、奈良県指定無形文化財でもある。二代貞一が奈良に開いた鍛錬場で現在も鍛刀を行う。この作品は、四天王寺所蔵の「丙子椒林剣」をモデルに、金象嵌された「丙子椒林」の四文字を「世界平和」に置き換えている。古典に倣いながらも現代の理念を命として吹き込んだ渾身の一作。同年に新作刀展覧会に無鑑査として出品した出品作でもある。

フロア / 7階 コーナー / 美術工芸の諸相
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