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あやしい絵展
(2021.3.31更新)
展示資料

魁題百撰相かいだいひゃくせんそう 辻弥兵衛盛昌つじやへえもりまさ
月岡つきおか芳年よしとし

明治元年(1868) 町田市立国際版画美術館 【展示期間:7月21日~8月2日】

『魁題百撰相』のうち辻弥兵衛盛昌

※展示替あり

幕末から明治にかけて活動した浮世絵師である月岡芳年は、凄惨な場面を描いた「血みどろ絵」「残酷絵」と呼ばれる作品を多く手がけました。芳年は、旧幕臣と新政府軍が戦った上野戦争で多くの死傷者を目にしたといいます。そのような経験をもとに描かれた本図には、血まみれの男性を描き、口は青く、虚ろに見える目は死をも暗示させます。


白瀧姫
安本やすもと亀八かめはち

明治28年(1895)頃 桐生歴史文化資料館

白瀧姫

※写真は部分

実際に生きているかのような艶めかしさを表現の主眼とした生人形は、幕末から明治時代にかけて作られ、主に見世物で人々の耳目をさらいました。その精巧な作りは海外でも注目され、多くが海を渡りました。本作品は、日本有数の織物の産地であった群馬県の桐生に伝わる白瀧姫の像です。桐生に織物を伝えたという白瀧姫の姿を、生人形師として名高い初代安本亀八が作りました。


安珍と清姫
たちばな小夢さゆめ

大正末頃 弥生美術館 【展示期間:前期(7月3日~7月26日)】

安珍と清姫

紀伊(現在の和歌山県)の道成寺で思いを遂げようとして蛇体になった清姫。それに巻き締められる安珍を、桜が散り注ぐ鐘の中に描きます。モノクロームの世界に燃え上がる強烈な恋が描かれます。


淀君
北野きたの恒富つねとみ

大正9年(1920) 耕三寺博物館

淀君

徳川氏によって攻められ、落城寸前となった大坂城における淀君の姿を描いています。恒富はこの作品を描くとき、背景に炎を描いて赤くすると芝居の看板のようになるため、そうならないように苦心したといいます。朦朧とした背景に、淀君のまとう鹿子絞かのこしぼりの小袖が鮮やかに浮かび上がり、淀君の存在を引き立てています。能面のような不気味な表情には、絶体絶命の状況下にありながらも秀吉の妻としての矜持、また徳川氏への遺恨など、淀君の多様な情念を内包させようとしているかのようです。


挿絵「オスカー・ワイルド『サロメ』より
『おまえの口に口づけしたよ、ヨカナーン』」:『ステューディオ』創刊号
オーブリー・ヴィンセント・ビアズリー

1893年 東京国立近代美術館 【展示期間:前期(7月3日~7月26日)】

オスカー・ワイルド「サロメ」

※展示替あり

西欧の世紀末芸術を代表するひとり、イギリス人のビアズリーは、退廃的、時にはエロティックな画題を白と黒だけのペン画で描き出して名を馳せました。オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」の挿絵として描かれた本図は、王女サロメが恋焦がれた預言者ヨカナーンの首を手にして接吻する場面を描いています。戯曲では官能的に描写されたサロメの異様な心情を表すかのように、彼女は黒い髪を逆立てて表されています。細くシャープな線、多用される曲線、白黒の鮮やかな対比など、神秘的かつ幻想的な表現を見せるビアズリーの代表作です。

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