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動物絵画はお家芸 ―大坂・森派の絵描きたち―
(R3.1.29更新)
展示資料
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猿猴えんこう

森狙仙筆 / 中井竹山賛 天明7年(1787)
大阪歴史博物館蔵

猿猴図 森狙仙筆

(写真は部分図)

猿の毛を一本一本丁寧に描き、獣毛の柔らかさをみごとに表現した狙仙の猿図です。狙仙の猿図には、吉祥性が込められていることが多く、本図に描かれる二匹の猿を親子と見れば子孫繁栄の意図を読み取ることもできます。狙仙は当初、示偏しめすへんの「祖」の字を号に用いていましたが、獣の絵で名高くなったため、獣偏けものへんの「狙」に改めました。このことからは狙仙の動物画家としての自負がうかがえます。


諫鼓鶏かんこどり

森陽信筆 江戸時代(18~19世紀)
個人蔵

諫鼓鶏図 森陽信筆

大坂の豪商鴻池こうのいけ家旧蔵とのいわれを持つ本作品は、狙仙の長兄陽信ようしんの作品です。本図は、古代中国の天子が自身の政治を諌めるための太鼓を置いたものの、善政が続いたため誰も打ち鳴らさず、鳥が住み着いたという故事に基づいています。金箔の画面に堂々とした雄鶏の鮮やかな鶏の白色が映える豪華な作品です。


蝦蟇がま仙人せんにん

森周峰筆 江戸時代(18~19世紀)
個人蔵

蝦蟇仙人図 森周峰筆

蝦蟇を従えて、さまざまな術を使ったという蝦蟇仙人を描いています。仙人に頭を抑えられた蝦蟇は、なにやら不思議な気を吐き、その表情はおかしみを感じさせます。作者の周峰しゅうほうは、弟の狙仙と見紛うほどのリアルな動物画を手掛ける一方、狩野派風の山水、人物など幅広い画題や表現を習得し、在世当時は大坂を代表する画家ともされました。


蝦蟇がま

松本奉時筆 / 畠中観斎賛 江戸時代(18世紀) 
個人蔵

蝦蟇図 松本奉時筆

(写真は部分図)

大坂の表具師松本奉時ほうじの手になる蝦蟇図です。奉時は、声の良い蛙の飼育や蛙の干物にいたるまで、さまざまなカエルを愛し集めました。鶏図を得意とした伊藤若冲とも交友のあったことが知られています。水気の多い墨を用いて勢いよく描いた蝦蟇図を得意としました。


地獄図

耳鳥斎筆 寛政5年(1793)
大阪歴史博物館蔵

地獄図 耳鳥斎筆

(写真は部分図)

大坂で酒造業や骨董商を営んでいたと伝えられる耳鳥斎にちょうさいは、人の姿を面白おかしく描いた戯画ぎがで人気を得ました。人々の悪行を断つための教訓としてこの絵を描いたという耳鳥斎のいかめしい言葉とは裏腹に、さまざまな職業の者が落ちる地獄をユーモラスに描いています。そのうちの一図「茶師の地獄」では羽織を着た鬼が、亡者で作った茶釜や茶碗、茶杓などの道具を使って茶をたてる様子が表されています。

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