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(2021.12.24更新)

第141回 特集展示

新収品お披露目展

◆令和4年 2月23日(水・祝)~ 4月18日(月)◆

火曜日休館

会場 8階 特集展示室
時間 9:30~17:00
※入館は閉館30分前まで
観覧料 常設展示観覧料でご覧いただけます
主催 大阪歴史博物館

大阪歴史博物館では、令和4年(2022)2月23日(水・祝)から4月18日(月)まで、8階特集展示室において特集展示「新収品お披露目展」を開催します。

大阪歴史博物館では開館以来、郷土大阪を中心とする地域の歴史と文化について広く市民に紹介し、理解を深めることを事業運営の基本方針としています。この基本方針に沿った資料の収集は博物館活動の根幹でもあり、当館では毎年、市民の皆様からご寄贈いただいたさまざまな資料を保管し、研究や展示等に活用を図っています。

今回の展示では、平成30年度、令和元年度、令和2年度に新たに館蔵品となった数多くのご寄贈品から未公開のものを中心に、約20件をご紹介します。


主な展示資料

展示資料数:約20件
江月宗玩書状
江月こうげつ宗玩そうがん書状
年未詳 8月15日付
清水道閑どうかん
大阪歴史博物館蔵(山口洋子氏寄贈)

江月宗玩(1574~1643)は堺の豪商・津田宗及そうぎゅうの子で、臨済宗の高僧としてだけでなく、茶の湯や書などに長けた文化人としても一流の人物でした。本書状は宗玩が友人であり、後に仙台伊達藩の茶道となる清水道閑に宛てたもので、曇り空で仲秋の名月が見えないことへの無念や、織田有楽斎うらくさいから茶の誘いがあったことを語っています。宗玩の茶人・文化人としての活動がうかがえます。

花木小禽図
花木小禽図
岸良がんりょう
天保7年(1836)作
大阪歴史博物館蔵(前田美希氏寄贈)

松竹梅に菊や竜胆りんどう、小鳥があしらわれた穏やかな自然景を描いた作品です。筆者は江戸時代後期の京都で活動した絵師の岸良(1798~1852)です。岸良の義父の岸駒がんくは、勇猛な虎の絵で名を成しました。岸良は岸駒に技量の高さを見込まれて娘婿むすめむことなり、京都御所や高野山の寺院にも筆を揮っています。この作品は近代大阪の第百四十八国立銀行(のちの山口銀行)の重役をつとめた西田家に伝来したものです。同家には京都や大坂の幕末から明治時代にかけての画家の作品が多く収蔵されており、当時の富裕な人々の好みや調度品の傾向を知ることができます。

>飛魚躍進図盆
飛魚躍進図盆
島野しまの三秋さんしゅう
大正~昭和時代
大阪歴史博物館蔵(渡邊實氏寄贈)

島野三秋(1877-1965)はそごう心斎橋店のエレベーター装飾(昭和10年:1935)でも知られる、大阪の漆芸家です。漆芸全般を手掛けており、この作品のように、しばしば塗面を磨かず塗り放して仕上げることもありました。三秋は寄贈者の渡邊氏宅を訪ねては親交を深め、多数の作品を同家に残しました。この作品は、鈍い銀と金の二尾のトビウオが飛躍するさまを金属粉や漆を用いて表し、螺鈿らでんの目を据えて仕上げています。盆の縁部分には皮革を連想させるマットな風合いの色漆を塗り、両端には縫い目を想起させる長破線を描いています。全体に漂うモダンさに加え、大胆な意匠の内区と、細部までこだわりを見せる外区の対比も本作の魅力です。

>三ツ山家住宅ステンドグラス
三ツ山家住宅ステンドグラス
大正15年(1926)
大阪歴史博物館蔵(古川東子氏寄贈)

大正15年(1926)に建築された三ツ山家住宅は総4階建ての鉄筋コンクリート構造で、細部に装飾が施されたモダンな住宅でした。ステンドグラスは1階入口の上部にはめこまれていたもので、中央を大小の菱形模様とし、直線を強調したアール・デコのデザインです。差し込んだ光は組み込まれた赤や青の色ガラスを透して室内を鮮やかに照らしました。