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  5. 第44回特集展示「大坂の料亭主人、瓢箪を集める!」

(H25.7.25更新)

第44回 特集展示

大坂の料亭主人、瓢箪を集める!

 ◆ 平成19年 1月17日(水)3月12日(月) ◆ 

毎週火曜日休館

会 場
8階 特集展示室

時 間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで

観覧料



主 催  大阪歴史博物館

平成19年1月17日(水)から3月12日(月)まで、常設展示場8階の特集展示室において特集展示「大坂の料亭主人、瓢箪を集める!-幕末の茶道具、書画、骨董品-」を開催し、西宮市在住の宮里圭子(みやさと よしこ)様よりご寄贈いただいた1,000点を上回る書画や道具類の中から、「大瓢箪」(鴻池家旧蔵 本館蔵)など80件の資料を展示します。激動の幕末維新にあっても、堅実に、また瓢箪のごとく飄々と生きた大坂町人の趣味の世界をご堪能ください。

宮里家は代々帯屋源兵衛(おびやげんべい)を名乗り、江戸時代後期から明治時代にかけて、今橋築地(大阪市中央区)で料理旅館「瓢箪屋」を営んでいました。幕末に活躍した勤皇の志士、清河八郎(きよかわはちろう)も泊まった由緒ある宿屋です。幕末維新の折の当主は瓢遊(ひょうゆう・1812~1889)と号し、激動の時代にあっても、家業に精を出し、かつ遊び心も忘れない粋(すい)な人物でした。本展ではご寄贈いただいた資料から、瓢箪をモチーフにした工芸品や瓢遊の愛した大小さまざまな瓢箪を展示します。
 瓢箪はその形がユニークであり、かつ魔除けや子孫繁栄のイメージを持っていたところから、人々に親しまれてきました。瓢遊もたいそう熱心に愛好し、経営する料理旅館「瓢箪屋」で使う調度品の多くに瓢箪があしらわれています。また、茶を好んだ瓢遊は、瓢箪をモチーフにした茶道具を使っていました。さらに、一世一代の晴れ舞台「瓢箪くらべ」なるものを行ないました。これは大坂の豪商で両替商の千種屋(平瀬家)から譲られた大瓢箪を愛蔵していた瓢遊が、豪商の鴻池にも大瓢箪が所蔵されていることを知り、その大きさくらべを行いました。その結果、瓢遊が勝ち、鴻池家からも大瓢箪を譲られました。この由緒ある大瓢箪も展示します。
 本展の資料は、長らく個人で大切にされてきたものばかりです。激動の幕末維新にあっても、堅実に、また瓢箪のごとく飄々と生きた大坂町人の趣味の世界をご堪能ください。


期間中の関連行事
 『展示解説』
学芸員による展示解説を行います。
【日 時】 平成19年1月21日(日)・2月18日(日)
 午後2時~(所要30分程度)
【会 場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室
【定 員】 なし
【参加費】 無料(ただし、ご入場には常設展示観覧料が必要です)
【参加方法】 当日直接会場へお越しください。

おもな展示資料

瓢遊喜寿像(ひょうゆうきじゅぞう)

  明治21年(1888) 1幅 本館蔵

「瓢遊喜寿像」詳細へ
展示資料数:
 約80件

大瓢箪 鴻池家旧蔵

   1点 本館蔵

「大瓢箪 鴻池家旧蔵」詳細へ

瓢箪形杯洗(ひょうたんがたはいせん)

  江戸時代 1点 本館蔵

「瓢箪形杯洗」詳細へ

おもな展示資料

瓢遊喜寿像

(1) 瓢遊喜寿像(ひょうゆうきじゅぞう)

  明治21年(1888) 1幅 本館蔵

帯屋源兵衛こと宮里瓢遊の喜寿の年(数え年)の像。この年、瓢箪くらべを行い、大坂の豪商にあった大瓢箪を二つとも入手した。向かって左は鴻池家から、右は平瀬家(千種屋)から譲られた大瓢箪。

(2) 大瓢箪 鴻池家旧蔵

  1点 本館蔵

瓢遊の手元には大坂の豪商・平瀬家(千種屋)から譲られた大瓢箪があった。鴻池家にも大瓢箪があることを知り、明治21年(1888)にその大きさくらべを行なった。瓢遊の大瓢箪には酒が1斗1升、鴻池家所蔵の大瓢箪には1斗入ったという。結果は、瓢遊の勝ちとなり、鴻池家からこの大瓢箪を譲られた。

大瓢箪
瓢箪形杯洗

(3) 瓢箪形杯洗(ひょうたんがたはいせん)

  江戸時代 1点 本館蔵

酒席で、やり取りする杯を洗いすすぐための器を杯洗という。この杯洗は、宮里瓢遊こと帯屋源兵衛が、料亭で使用するためにあつらえたひと品であろう。漆器で作られた瓢箪形のなり口部分に金属製の葉と蔓の装飾を差し込む仕立てである。瓢箪の内側に描かれた2匹のあゆは、水を張ると悠々と遊ぶ姿になる、洗練された逸品。