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日本建築協会旧蔵資料

(H30.5.22更新)
 日本建築協会は大正6年(1917)3月、関西建築協会として大阪で設立され、月刊の会誌『関西建築協会雑誌』を発行した。設立当初は関西に建築関係者の団体はなく、都市開発が進む大阪で建築関係者相互の中核的な組織として建築界の発展や、大正8年(1919)公布の都市計画法、市街地建築物法の制定に寄与してきた。後に名称を日本建築協会、会誌名も『日本建築協会雑誌』、『建築と社会』と改め、現在も一般社団法人として大阪を拠点として活動を続け、その歴史は100年以上にもおよぶ。
 本資料群では、同会より会誌『建築と社会』に掲載された写真、関連資料などの資料の寄贈を受けたものである。当館では特集展示「日本建築協会と関西の建築界」(平成22年)、特集展示「郷土建築へのまなざしと日本建築協会」(平成28年)や常設展示などで、これらの資料を公開してきた。 (酒井一光)
大阪市公会堂竣工写真

大阪市公会堂竣工写真

大正7年(1918) 本館蔵 社団法人 日本建築協会寄贈

 写真左手にみえる木造2階建の建築が公会堂臨時建設事務所であると考えられることから、大阪市公会堂(現・大阪市中央公会堂)の竣工直後の写真とわかる。公会堂は明治45年(1912)に全国で活躍する建築家17名による指名懸賞競技が行われ、13名が期限内に提出し、岡田信一郎が1等当選した。竣工は関西建築協会設立の翌年で、実施設計や建設にあたっては片岡安、谷民蔵ら建築協会のメンバーが大きな役割を果たした。
大阪駅前鳥瞰写真(大阪市内鳥瞰写真より)

大阪駅前鳥瞰写真(大阪市内鳥瞰写真より)

昭和10年(1935)頃 本館蔵 社団法人 日本建築協会寄贈

 日本建築協会は戦前より各種委員会の活動が盛んで、建築の設計、施工、都市計画ばかりでなく、関東大震災や北丹後地震、静岡大火をはじめ各地の地震や大火の災害調査や一般向けの講演会なども行ってきた。近畿防空大演習が行われた昭和9年には都市武装促進委員会が発足し、防空都市の調査・研究にも取り組んだ。本写真はその活動の一環と考えられ、市内の高層建築より市街を写した鳥瞰写真の1葉と考えられる。撮影地点は梅田の阪急ビルディング(阪急百貨店)屋上付近からで、国鉄(現・JR)大阪駅前の様子である。
「建築と防空」展写真

「建築と防空」展写真

昭和17年(1942)頃 本館蔵 社団法人 日本建築協会寄贈

日本建築協会創立25周年を記念して開催された「建築と防空」展の様子。同展覧会は心斎橋大丸6階で昭和17年(1942)9月29日~10月4日に開催され、「ロンドン空襲の実例と日本の建築」、「関東大震災の惨状」などのパネル、防火改修、防弾建築、防空壕などを展示した。観覧者の姿が、時代相をものがたっている。