「猿描き狙仙三兄弟」ネット展示
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猿をさす「猿猴」の「猴(コウ)」が殿様をいう「侯」、鹿(ロク)はごほうびをさす「禄」とよみが通じるために、めでたいとされました。この図では、縁起のよい猿と鹿、桜咲く春と紅葉の映える秋が対比されています。 |
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上の猿「蜂採ったぞー!」下の猿「えっ…」 |
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団扇(?)を持っている男性、福耳で柏紋の服を着ていて…これは恵比寿さま!いつもの釣竿と鯛は、なんと後ろの松の木に立てかけたまま…本業そっちのけ(?)で趣味を楽しむ恵比寿さま、たまにはオフもいいものです。 |
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舟の運行の邪魔になる藻を刈っている様子を描いた絵です。ですが、よーく考えてみると、藻を刈る…もをかる…儲かる!しかも作者は森一鳳…いっぽう…一方?なんと「儲かる一方」となる、大変縁起のよい絵なのでした。 |
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赤兎馬(せきとば)に乗り、青龍偃月刀を持っているのは『三国志』でおなじみの関羽。か、かっこいい…!森周峰はこれ以外にも、『三国志』を主題とした絵画を描いていました。
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『西遊記』でおなじみ孫悟空。口から如意棒を持った分身を出しています。頭には緊箍児(きんこじ)がついていないので、まだ暴れん坊のころの孫悟空を描いたもの。『西遊記』は江戸時代に人気を博し、広く知られるようになりました。 |
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千年土竜(もぐら)は奇獣として知られていたようで、信濃では雷獣をこう呼んだそう。土竜とありますが、穴熊や狸のような姿を描いています。濃淡や滲みで、輪郭線を用いずに柔らかさを表現しています。ふわふわのさらさらヘアー。 |
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覆盆子(ふくぼんし)の前で2匹の猿が戯れています。覆盆子とは木苺のことで、薬として用いられたほか、文様としてもよく採用された植物です。祖雪の描く猿も、狙仙のそれと同じくもふもふの毛並みが表現されています。 |
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流光斎と耳鳥斎が、歌舞伎役者の叶雛助を描いたものです。『梨園書画』には、ふたりが同じ役者を描いたものが多く見られます。流光斎は似顔絵が、耳鳥斎は戯画が得意でした。タッチが違うのに同一人物だとわかるところがすごいですね。 |
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三兄弟の長兄陽信の作品。「ありがたや~」と日を拝む老夫婦。謡曲「高砂」で知られるように、実は住吉と高砂の松の精です。つがいの亀と鶴も描かれており、夫婦円満で長生きの願いが込められているかのようです。 |
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狙仙の兄の周峰は、狩野派風の絵も描きましたが、本図のように狙仙風の写実系の絵も残しています。雄鹿「美味しそうな桃やな」雌鹿「よそのお宅のものだから止しなさいよっ!」的にも解釈されますが、「鹿」は「禄」と音通するため給料や褒美を、桃は女仙の西王母にちなみ長寿の果物とされ長生きを象徴していると思われます。お金に困らず、夫婦ともども長生きで、との願いが込められているかのようです。 |