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特別展 韓国のこころと暮らし-高麗大学校博物館所蔵品展- トップイメージ
(H26.4.24更新)

特別展「韓国のこころと暮らし-高麗大学校博物館所蔵品展-」

平成15年7月23日(水)~9月8日(月)

今回の展覧会では、高麗大学校博物館が所蔵する豊富な民俗資料のなかから、衣類、調度品、呪術具など、183件210点(重要民俗資料2点)を展示します。展示資料に示される文様や用いられる儀礼などを通じて、韓国の人々の願いや祈り、感性や美意識、行動様式の背景などの、こころの世界を探求し、その文化的土壌を紹介します。

古代から現代に至るまでのながい文化交流の歴史のなかで、日本は文化的に韓国から大いに影響を受け、鎖国下の江戸時代においても、朝鮮通信使などが来日し、その交流の中心に大阪は位置していました。その文化交流の影響を展示資料を通じて実感していただくのが本展の目的です。

韓国で使用されてきた伝統的な生活用具には、富や多産、長寿などの願いをこめた桃や瓢箪 (ひょうたん)、蝙蝠 (こうもり)、海老 (えび)、鯉などのさまざまな文様が添えられています。また、年中行事や通過儀礼などの時間や人生の節目には、神々や祖先たちがいる他界が意識され、願いの成就や悩みごとの解決には、占いやシャーマニズムのひとつであるムダン(巫者)の儀礼を通じて神々と交流することが大きな手段でした。

本展は、こうした日常生活の意匠にみる人々の祈り、さまざまな儀礼と神々との交流の二つをテーマとして展開します。

高麗大学校博物館は、考古・歴史・民俗・書画・磁器・伝統産業用具・現代美術に及ぶ10万点の収蔵資料を有し、質量ともに韓国の大学博物館を代表するものとして知られています。本展は、高麗大学校博物館の所蔵品を一堂に公開する日本で初めての展覧会となります。


刀匠による鍛練実演会
韓国の刺繍は、古代からの伝統を誇るもので、よりのかかった糸を用いてやや立体的に仕上げ、動植物をモチーフにした吉祥文様などが多くみられます。また、用法や用途も多彩です。今回の講座では、韓国伝統刺繍の担い手のひとりである南氏のご指導のもと、花のモチーフの刺繍に挑戦していただきます。韓国伝統文化の一端にふれてください。
※この事業は、平成15年度文化庁芸術拠点形成事業の支援を受けています。
日  時 6月13日(金)・14日(土)
会  場 大阪歴史博物館前 アトリウム特設会場
講  師 社団法人韓国礼節文化院 院長 南相敏 氏
受講定員 各回30名※小学校4年生以上、小学生は保護者同伴のこと。講座の見学は自由です。
参加費用 無料
参加方法 往復はがき(お1人につき1通)に・住所 ・氏名・電話番号・受講希望日(30日か31日)をご記入の上、以下の宛先へお申込みください。

〒540-0008 大阪市中央区大手前4-1-32
大阪歴史博物館「韓国体験講座」係
※応募者多数の場合は抽選となりますので、ご了承ください。
申込締切 8月22日 (金) 必着
刀匠による鍛練実演会 着付体験「韓服(ハンボク)を着てみよう」
チマ、チョゴリ、パジ(男性用のズボン)などの民族衣装を着て、特別展をご覧いただきます。伝統的な韓国世界にひたってください。
日  時 7月26日(土)・27日(日) 正午~午後4時30分 (受付は午後3時まで)
着付け会場 大阪歴史博物館 2階 第1会議室
協  力 生野コリアタウン推進委員会
参加方法 当日会場にて随時受付。特別展の観覧券を提示してください。
※ 衣装に限りがあり、人数を制限する場合があります。
料  金 参加 無料(ただし、特別展観覧料が必要)
刀匠による鍛練実演会 韓国の民俗舞踊と音楽公演
僧舞 (スンム) 、立舞 (イプチュム) などの民俗舞踊、テグム(尺八のような笛)、カヤグム(琴)などの伝統楽器が織りなす幻想的な世界をご紹介します。
日  時 8月3日(日) 午後2時~3時
会  場 大阪歴史博物館 4階 講堂
出  演 趙 寿玉 (チョウ・スオク) チュムパンの会
定  員 250名(当日先着順)
受  付 当日、午後1時30分から会場前にて受付。
料  金 参加 無料
刀匠による鍛練実演会 講演会「朝鮮時代の人々はどのように暮らしたか」
日本の江戸時代にあたる朝鮮時代後期の人々の生活を、展示資料にもふれながら紹介します。
※この事業は、平成15年度文化庁芸術拠点形成事業の支援を受けています。
日  時 8月23日 (土) 午後2時から
会  場 大阪歴史博物館 4階 講堂
講  師 高麗大学校博物館長 崔 光植 (チェ・グワンシク) 氏
定  員 250名(当日先着順)
受  付 当日、午後1時30分から会場前にて受付。
料  金 参加 無料

特別展「韓国のこころと暮らし-高麗大学校博物館所蔵品展-」
会  期 平成15年7月23日 (水) ~9月8日 (月)
主  催 大阪歴史博物館・高麗大学校博物館
後  援 駐大阪大韓民国総領事館・関西韓国文化院 在日本大韓民国民団大阪府地方本部 NHK大阪放送局
会  場 大阪歴史博物館 6階 特別展示室 交通のご案内
開館時間 午前9時30分から午後5時まで(金曜日は午後8時まで)
(ただし、入館は閉館の30分前まで)
休 館 日 毎週火曜日
観 覧 料
特 別 展 常設展共通券
600円(540円) 600円(540円)
高 校 生
大 学 生
450円(410円) 450円(410円)

※( ) 内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下、大阪市在住の65歳以上の方、障害者手帳等をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料
※常設展示は、別途観覧料が必要です。

展示予定
資料数
183件 210点


主要出品物

匙箸入(さじばしいれ)
5点 19世紀

解説▼クリック
匙と箸を保管する入れ物。形は長方形で、赤を基調に、刺繍で文字や文様を施すのが一般的である。使われる文様は十長生 (じっちょうせい) が最も多く、この5点には十長生とともに、鳥の親子(群れ)、牡丹 (ぼたん)、菊などの花と回文など、様々な文様が使われている。裏にはそれぞれ吉祥句の刺繍を施している。十長生*は不老長生を象徴し、鳥の親子は多産を、牡丹は富貴を、菊は高い志操を、回文は永遠を意味する。 * 十長生 (じっちょうせい) : 不老長生を象徴する日、山、水、岩、雲、松、霊芝 (れいし)、亀、鶴、鹿を描いたもの。

円衫(えんさん)(重要民俗資料)
19世紀

解説▼クリック
庶民の女性用の婚礼の晴れ着として作られたもの。黄緑色の円衫は、本来は公主(王の正室の娘)や翁主(王の側室の娘)の礼服だが、庶民の女性は婚礼の時にのみ着用が許された。表地は全体的に黄緑色で、袖口は紅・黄・青の紗で作ってある。

木雁(もくがん)
2点 19世紀

解説▼クリック
雁は、夫婦仲の良い鳥とされ、婚礼式に際し木雁を贈る習俗がおこなわれた。新郎は、新婦の家に着くと、婚礼の最初の儀式として木製の雁を新婦の家に贈る。そのため婚姻の儀式は「奠雁礼 (てんがんれい)」とも言われる。婚礼用の雁は木製で、頭と体を別々に作って体に彩色を施すのが一般的だが、1点には彩色がなく赤い雁褓(がんほ:木雁を包む布)をのせ、そこには富貴栄華の象徴である牡丹文が刺繍されている。

鮒(ふな)形錠前
19世紀

解説▼クリック
特定の動植物の姿に似せた物象形錠前の一種。これは鮒の形を模している。鮒は主に多産(とくに男児の出産)による家門の繁昌と豊饒を象徴する。また、生命力や健康といった意味もある。一般的に、鍵は男根を、鍵穴は女性を象徴し、出産や蓄財の意味を持つ。また鍵を差し込む行為に生産の意味を持たせることもある。