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  5. 第25回特集展示「新発見!なにわの考古学2004」

(H25.8.9更新)

第25回 特集展示

「新発見!なにわの考古学2004」

  平成16年 8月18日(水) 9月27日(月) ◆ 
毎週火曜日休館

会 場
8階 特集展示室

時 間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで

観覧料

大阪市内では毎年数多くの発掘調査が行われています。その成果を広く市民の皆さまに公開し、埋蔵文化財に対する理解を深めていただき、考古学をより身近なものに感じていただけるよう、今回の特集展示を企画しました。展示内容は、平成15年度に(財)大阪市文化財協会が行った市内遺跡の発掘調査から、平野区長原遺跡、中央区難波宮跡・大坂城跡の3遺跡から出土した弥生時代から江戸時代の資料約160点です。また、(財)大阪府文化財センターの協力を得て、昨年度大きな話題を提供した中央区大阪府警本部の発掘調査からの出土遺物を約40点展示いたします。


期間中の関連行事
『大阪の歴史を掘る』講演会
平成16年8月29日(日)
午後1:30~4:30

当館学芸員による展示解説
8月22日(日)・9月12日(日)
午後2時から(約30分間)


※参加料は無料(ただし常設展示観覧料が必要)です。
上記の時間に会場(8階特集展示室)へお越しください。
 
ワークショップ「大坂の土人形をつくろう」

今回の特集展示で数多く出展される土人形は、近世の人々の身近にあったものですが、その造型は現代人の目からみても非常に親しみの持てるものです。本ワークショップでは、出土した土人形から起こした型を用いて、紙粘土で型取りをして土人形を作り、できた人形は持ち帰っていただけます。

※7/30に当館で開催される【金曜歴史講座】のテーマは、「江戸時代の土製玩具 -広島藩蔵屋敷跡の出土品から-」です。詳しい解説を聞いてから参加すると、面白さも倍増です。

8月18日(水)~8月30日(月)(計12日)
午前9:30から午後5:00まで
(ただし入館は午後4:30まで)


※参加料は無料(ただし常設展示観覧料が必要)です。
上記の日時に会場(8階特集展示室)内にて
随時受け付けます。どうぞご参加ください。


おもな展示資料

 展示資料数:
 
200

・弥生時代の銅鐸型土製品(紀元前1世紀)
平野区長原遺跡
・古墳時代中期の初期須恵器(5世紀)
平野区長原遺跡
・古墳時代中期の玉つくり関連遺物(5世紀)
平野区長原遺跡


担当学芸員からのコメント
今年も恒例の「新発見!難波の考古学2004」で、平成15年度に行った発掘成果の総まくりをお見せします。
 今年のメインは、中央区難波宮跡大坂城跡、そして平野区長原遺跡です。
 まず発掘50周年を迎えた難波宮跡では、朝堂院の建物の位置がはっきりと確かめられました。国際交流の舞台だった難波ならではの、朝鮮半島から渡来した土器も展示します。
 大坂城跡では、(財)大阪府文化財センターの発掘調査で、豊臣氏大坂城の大規模な堀が見つかりました。この発掘現場は歴博の窓からよく見えましたが、ごらんになった方も多いのでは? 大坂城の構造を解明する大きな手がかりです。金箔瓦や陶磁器を展示します。
 それから、約3万年の歴史をもつ長原遺跡では、弥生時代から古墳時代への集落や墓地の移り変わりのようすがよくわかりました。人々が使ったさまざまな土器、玉つくりの石材や道具、墓に供えられた品々など、たっぷりとお楽しみください。
 また、すでにホームページでご紹介している当館の『金曜歴史講座』では、今回の展示内容と深く関係するテーマがたくさん紹介されます。ぜひご参加下さい。
(佐藤・村元学芸員)

   

おもな展示資料

弥生時代の銅鐸型土製品

(1)弥生時代の銅鐸型土製品

平野区長原遺跡(紀元前1世紀)

長原遺跡の弥生時代中期の集落跡から2点見つかった。大阪市内ではこれまでに桑津遺跡や長原遺跡で同様の土製品が見つかっている。土製品を実際の銅鐸とくらべると、全体の形状は似せているものの大きさや細部の表現が異なっている。今回の発見により、用途について不明な点が多い銅鐸形土製品に新たな資料を加えることができた。

古墳時代中期の初期須恵器

(2)古墳時代中期の初期須恵器

平野区長原遺跡(5世紀)

長原遺跡の古墳時代中期の集落跡から見つかった。5世紀には朝鮮半島から須恵器を作る新たな技術が伝わるが、初期須恵器とは、須恵器の中でも初現的な特徴を備えたものである。長原遺跡ではこのほかにも渡来人の存在を示す数多くの遺物が見つかっているが、初期須恵器も当時の国際交流の一端を示す遺物として重要である。今回出展される中ではとくに、これまで類例のない壺が注目に値する遺物である。


(3)古墳時代中期の玉つくり関連遺物

平野区長原遺跡(5世紀)

長原遺跡の古墳時代中期の集落跡から、碧玉と緑色凝灰岩の2種類からなる石材や砥石がまとまって出土した。勾玉や管玉の未成品が含まれることから玉つくりに関連すると考えられる。これらの玉製品はこの時期の古墳に副葬されるものであり、その未成品が集落から出土したことは当時の手工業生産の状況などを考えるうえで貴重な資料である。

古墳時代中期の玉つくり関連遺物