1. ホーム
  2. 展示・イベント
  3. 常設展示
  4. 常設展示更新
  5. 過去年度の展示更新
  6. 羽間家伝来 明治のきもの

羽間家伝来 明治のきもの

(H26.6.27更新)

平成16年6月9日(水)~6月21日(月)(予定)

鼠羽二重地杉木立に苧環文様染繍振袖ねずみはぶたえじ すぎこだちに おだまきもんようそめぬい ふりそで
明治時代(19世紀)/羽間平安氏寄贈/本館蔵(赤羽刀)
刀 銘 浪華月山雲龍子貞一
羽二重地を鼠色に地染めし、桔梗の五ツ紋を白抜きしています。右袖から下前身頃、八掛にかけては苧環が、左袖から上前身頃にかけては朝霧に煙る杉木立が、刺繍と友禅染を巧みに組み合わせることによって描き出されています。こうした苧環と杉木立の組み合わせ文様は、三輪明神の故事を暗示していると考えられます

鼠紋縮緬地杉木立に苧環文様染繍小袖ねずみもんちりめんじ すぎこだちに おだまきもんようそめぬい こそで
明治時代(19世紀)/羽間平安氏寄贈/本館蔵(赤羽刀)
蝶の地紋の紋縮緬地を鼠色に染め、背面は右袖から裾にかけて、前面は左袖から裾にかけて、苧環と杉木立、そして朝靄のなかの大鳥居を、刺繍と友禅染によって描き出しています。苧環と杉木立、さらには大鳥居は、大神神社を暗示するもので、前資料と対をなす小袖です。
黒繻子地明烏文様小袖くろしゅすじあけがらすもんようこそで
明治時代(19世紀)/羽間平安氏寄贈/本館蔵(赤羽刀)
繻子とは、いわゆるSatinのことで、縦糸と緯糸の交差点を一定の間隔で配置した縦糸または緯糸の浮きが多い組織で、縦糸または緯糸のどちらか一方で織ったように見え、強い光沢を放つ織物です。この資料は、繻子地に明烏を黒糸・茶糸で刺繍することによって、より効果的に夜明けの空に飛ぶ烏が表現されています。ただし、肩の部分の傷みが甚だしいのが残念です。

「着物」は、時代や着用する人の年齢、好み、用途などによって、生地や文様、形態などが大きく変わります。

今回展示する明治時代の着物3領は、京都で誂えられたもので、近年まで大阪市内の旧家で大切に保管されてきました。文様等から推して、本来は舞踊などの衣裳として誂えられたものではないかと考えられます。

フロア / 7階 コーナー / 文化―美術・工芸の諸相
7階フロアマップ