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宮大工の活躍(第2期)

(H26.6.25更新)

平成17年7月13日(水)~8月29日(月)(予定)

蟇股かえるまた桔梗ききょうにおながどり)
山崎健治郎氏蔵
蟇股(桔梗におながどり)
蟇股かえるまたとは、寺社建築の柱上部の水平材に置かれる装飾。かえるが足を広げたような形をしていることから蟇股の名前が付いた。この下絵には「桔梗ききょうにおながどり」が描かれている。蟇股の輪郭線をうまく活かして、おながどりを配置している。


蟇股かえるまた桔梗ききょう鶺鴒せきれい
山崎健治郎氏蔵
蟇股(桔梗に鶺鴒)
水辺の岩の上に鶺鴒せきれいがとまっている様子をあらわした蟇股かえるまたの図案。鶺鴒は水辺にすむスズメ目セキレイ科の鳥である。蟇股の輪郭線に張り出すように彫り物が広がり、江戸後期の建築装飾の特徴がよくあらわれている。


蟇股かえるまた烏天狗からすてんぐ
山崎健治郎氏蔵
蟇股(烏天狗)
烏天狗からすてんぐを描いた下絵で、その形状から蟇股かえるまたの下絵であろうと考えられる。天狗は鳥の翼を持った童子形であらわされる。一般に天狗の図像は鼻が長いのに対し、烏天狗は鳥のくちばしを持っている点が特徴である。


蟇股かえるまた唐獅子牡丹からじしぼたん
(写真は部分図) 山崎健治郎氏蔵
蟇股(唐獅子牡丹)
「妙安寺向拝こうはいかへる又用」と書かれている。妙安寺とは兵庫県津名町(淡路島)の寺院と考えられる。本図はかなり横長の構図となっている。全体が白木しらき(彩色されていない木)の彫刻で、唐獅子からじしの目玉にのみ赤色をさしていたと考えられる。

二ツ屋根地車側面図ふたつやねだんじりそくめんず
山崎健治郎氏蔵
二ツ屋根地車側面図
地車だんじりの側面図であるが、装飾などが少ない簡素なもの。装飾を施す前の軸組(骨組)を示したものかも知れない。左手に釣鐘形の窓(花頭窓かとうまど)があるのが特徴である。19世紀前半のものであろう。


三ツ屋根地車側面図みつやねだんじりそくめんず
弘化三年(1846)  山崎健治郎氏蔵
三ツ屋根地車側面図
天神祭の際に、天満てんま市場から出された地車だんじりの図面。中央と右手の柱の周辺には雲龍の彫刻がみられ、左右両端の柱上部から唐獅子の彫刻が飛び出すなど、この時代の寺社建築の装飾と共通点がみられる。なお、本図面は現存する天満市場の地車と一致する部分が多いことから、現存の地車の設計図と考えられる。

第1期に引き続き、「宮大工の活躍」をテーマに、天満てんまで活躍した宮大工・山崎家に代々伝わる寺社彫刻の図面を紹介します。また、今回は大阪の夏の風物詩・天神祭の期間にあわせ、大阪天満宮の三ツ屋根地車みつやねだんじりの図面も展示します。

伝統的な意匠を駆使した寺社彫刻、そして地車の図面をお楽しみください!

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